2001 Fiscal Year Annual Research Report
牛すね塊肉の加熱時間による肉およびスープの呈味および呈味成分の変化
Project/Area Number |
12680124
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石井 克枝 千葉大学, 教育学部, 助教授 (80106947)
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Keywords | 牛すね肉 / スープ / 呈味成分 / 味 / 加熱時間 / 圧力加熱 |
Research Abstract |
ポトフという料理は硬いすね肉などを塊のまま加熱し、肉もスープと一緒に味わうものである。肉はやわらかくうま味を残しつつ、スープの味もよい加熱時間の設定が重要となる。平成12年度の研究成果として、通常の加熱においては4時間の加熱時間が肉とスープの食味がよいという結果を得た。そこで、本研究では圧力鍋を使用した場合の牛すね塊肉の最適加熱時間を、肉とスープの食味と呈味成分から明らかにしたものである。牛すね肉は500gの塊を用い、肉の2倍量の脱イオン水を加え、圧力加熱時間を30、40、50および60分間とし、消火後の15分間蒸らした。スープと肉(内側と外側)の呈味成分として5'-IMP、還元糖、乳酸、タンパク質、遊離アミノ酸・ペプチド態アミノ酸を測定した。さらに、スープの味と肉の内側の食味を官能検査によって調べた。以下にその結果を記す。 1.IMPは肉の内側では加熱50分まで増加したが肉の外側では減少し、スープでは40分まで増加しその後平衡であった。 2.還元糖は肉の内側・外側とも40分まで増加し、50分で減少し、60分では増加した。スープでは50分まで増加し、60分では減少した。 3.乳酸は肉では40分まで平衡していた。スープでは40分まで増加した。 4.遊離アミノ酸は肉の内側では30分でもっとも多く、加熱時間が長くなると減少した。肉の外側では50分まで減少傾向で、60分で増加した。スープでは加熱時間による変化はあまりなかった。ペプチド態アミノ酸量は肉・スープ共に加熱時間に伴って若干多くなる傾向がみられた。 5.官能検査では、スープの呈味は40分のものがもっとも好ましいと評価され、肉のうま味は50分でもっとも強かった。 以上の結果より、塊肉を圧力加熱し、肉とスープを食する場合は40分間の圧力加熱が適していると考えられた。
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