2000 Fiscal Year Annual Research Report
アレルギー患者代替食の臨床試験のための基礎データの構築
Project/Area Number |
12680128
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小谷 スミ子 新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (60018653)
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Keywords | 卵アレルギー / ウズラ卵白 / オボアルブミン / 消化 / ペプチド / エピトープ / 二次元電気泳動 / イムノブロット |
Research Abstract |
卵アレルギー患者の代替食の開発を目指し、ウズラ卵白タンパク質の約50%を占めるオボアルブミンの抗原決定基(エピトープ)構造を明らかにすることを目的に研究を行った。 まず、ウズラ卵白アルブミン(JQ-OVA)の精製を行った。すなわちウズラ卵白を硫安分画したのち、Sephadex G-100カラムで粗JQ-OVAを得、次いでDEAE-Sephadex A-50カラムで精製した。得られたJQ-OVA画分を凍結乾燥し、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単一バンドであることを確認した。次いでJQ-OVAに対する抗体(抗JQ-OVAウサギ血清IgG)をウサギ(ニュージーランドホワイト種)に免疫して作成した。血清の抗体価をドットブロット法により求めたところ、5回目の免疫で2,000倍の抗体価が得られた。次にJQ-OVAのエピトープを分析するため、JQ-OVAを消化しペプチドを得た。消化条件は2mgのJQ-OVAを1.0mlの0.01M HCl、pH2.0、0.1Mぎ酸/アンモニウム緩衝液、pH8.5と同緩衝液、pH8.0に溶かし0.02mgのペプシン、TPCK-トリプシン、TLCK-キモトリプシンを加え37℃で24時間反応させた。得られたペプチドを凍結乾燥したのち二次元電気泳動で分離した。本法は一次元目にIPGphor等電点電気泳動装置、二次元目にSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動装置を用いるため、性質の似通ったペプチドを細かく分離するのに有効であった。JQ-OVAのペプシン、TPCK-トリプシン、TLCK-キモトリプシン消化ペプチドのスポットは、それぞれ34、36、30検出された。次いでイムノブロット法によりゲル内のペプチドをPVDF膜にブロットし抗JQ-OVA-ウサギ血清IgG抗体と結合するペプチドを検出したところ、それぞれ25、28、21であった。今後これらのペプチドの一次構造を分析することでエピトープ構造を明らかにしていく予定である。
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