2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680136
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
北村 進一 京都府立大学, 農学部, 講師 (60117869)
|
Keywords | カードラン / ゲル / 冷凍 / 解凍 / デンプン / 蛍光顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 示差走査熱量計 |
Research Abstract |
1.カードランゲルの冷凍・解凍にともなう離水量を測定したところ2%のカードランゲルで60%(w/w)の水が離水することがわかった。このカードランゲルにコーンスターチ8%、ポテトスターチ8%、ワキシーコーンスターチ8%を加え、それぞれ同様に離水量を測定したところ、15%、10%、7%に減少した。 2.カードランに特異的に反応する抗カードランウサギポリクロナール抗体を調製した。この抗体を用い、混合ゲル(カードラン2%-デンプン8%)中のカードラン分子のゲル中の分布を電子顕微鏡観察による組織免疫化学的方法により知ることができた。その結果、離水抑制効果の大きなポテトスターチやワキシーコーンスターチでは、カードランとの境界面での剥離は観察されなかったが、効果の小さなコーンスターチでは境界面での剥離が観察された。同様な構造変化は蛍光顕微鏡を用いた免疫化学的方法によっても確認することができた。 3.カードランとデンプンの水懸濁液を高感度示差走査熱量計により加熱したところ、それぞれカードランのピークと思われる50℃付近とデンプンのピークと思われる65℃付近に吸熱が観察された。一旦、100℃まで加熱した試料を-50℃まで冷却してその発熱の起こる温度と発熱量からゲル中での氷のでき方を定量することを試みた。さらに、-60℃から昇温し氷の溶ける温度と吸熱量から解凍にともなう離水のメカニズムを解明する予定である。
|