2000 Fiscal Year Annual Research Report
天然物色素を用いた重金属イオン分析法の開発と環境教育への応用
Project/Area Number |
12680180
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白根 福榮 広島大学, 教育学部, 教授 (00033639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 信吉 広島大学, 教育学部, 助教授 (30240873)
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Keywords | 化学教育 / 環境教育 / 教材開発 / 天然物色素 / 重金属イオン分析 / ケナフ / スオウ |
Research Abstract |
1.天然物色素の抽出法の検討と同定 本研究に用いる天然物色素を抽出する原料として,古来から草木染めの材料として用いられているスオウの幹部と昨今学校教育現場で栽培活動を通じた環境教育の素材として取り上げられているケナフの花弁を取り上げた。これらの植物体から,天然物色素を抽出する場合の溶媒と抽出条件について系統的に検討した。また,抽出した天然物色素を単離し,核磁気共鳴及び質量分析の手法により同定した。この結果,スオウ幹部より抽出した天然物色素は,重金属の斑点分析に用いられるヘマトキシリンと類似した分子構造をもつジブレリンであることが分かった。また,ケナフ花弁からの抽出液には,アントシアンが多く含まれていることが分かった。 2.天然物色素と重金属イオンの反応性 抽出した天然物色素水溶液のpH値の変化に伴う呈色の変化を,紫外可視分光高度計により測定した。この結果,本研究で抽出した天然物色素は,溶液のpH値により系統的に呈色の変化を示し,pH指示薬としての使用の可能性も考えられることが分かった。また,pH4以下に調整した天然物色素と種々の重金属イオンとの反応による呈色を調べたところ,スオウ抽出液及びケナフ抽出液で,いずれも銅,スズ,アルミニウム,鉄などの重金属イオンと特徴的な呈色を示すことが分かった。 3.天然物色素による重金属イオン分析の教材的手法 天然物色素を用いた重金属イオンの定性分析及び簡易定量分析の手法として,試験紙の作成を試み,適当な作成法を検討した。
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Research Products
(1 results)