2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680184
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡崎 宏光 熊本大学, 教育学部, 助教授 (70093995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 信也 熊本大学, 教育学部, 教授 (20145402)
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Keywords | 初等幾何定理 / 証明問題 / 推論規則 / 自動証明 |
Research Abstract |
初等幾何定理(証明問題)をコンピュータで大量生産するプログラムは一応完成させてある。そのプログラムを用いて利用価値のある証明問題を作るために、幾何公理に相当する「証明の根拠となる事柄」を作成することが本研究の重要目的である。現在の教科書に述べられている「証明の根拠となる事柄」はわずかであり、実際はもっと多くの事柄が暗黙のうちに使われている。本年度は昨年度に引き続き、明治・大正期の旧制中学の幾何教科書から公理に相当する命題を捜し、大正期の教科書である「新主義数学」から多くの公理相当命題を抽出できることを発見した。この教科書には「公理」という記述はないが、証明の根拠に実体験や操作活動から得られる命題を用いている。そして現在の中学校の教科書の「証明の根拠となる事柄」にはないものが存在した。その典型例は、直線に向きを付け、例えば「平行線は同じ向きである」と述べることである。コンピュータによる幾何証明を試みるとき、図から得られる情報をどのように表現するかが非常に難しい。図を記述表現に変えるとき多彩になり過ぎてコンピュータ処理に時間がかかる。現在のところ教育的に使える自動証明が得られてはいない理由の1つとなっている。そのためコンピュータによる大量生産においても、図の代わりの表現には注意をしている。その1つが直線に向きを与えることである。それが教科書の中にあったのであるから、大量生産のための公理候補として重要であると考えられる。これらにより証明の根拠となる命題を五十個以上作ることができた。なお、今年度はこれまでの大量生産した証明問題を使って、実際に中学校3年生に幾何証明の授業も行った。
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Research Products
(1 results)