2000 Fiscal Year Annual Research Report
高校工業教育の教育内容に対する工業に従事している卒業者の評価に関する事例研究
Project/Area Number |
12680186
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 雅康 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (00253857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三田 純義 小山工業高等専門学校, 助教授 (50280350)
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Keywords | 高校工業教育 / 実験・実習 / 専門性 / 技能 / 段取り |
Research Abstract |
本研究は、高校工業科を卒業し、現在産業界で工業技術にかかわる人々が、高校工業科で受けた教育内容とくに工業教科の内容をどのように評価しているかを追跡調査する。この調査結果を踏まえ、目的意識の明確な生徒に専門性の高い工業教育を行うための教育課程開発の基礎データを得ることを目的とする。今年度は、調査対象として東京工業大学工学部附属工業高等学校を選んだ。それは、同校が今日の代表的な工業高校の一つであり、これまで「中堅技術者の養成」と「上級学校への進学」の両側面に対応する教育課程を追究して来ており、ユニークな工業高校のためである。 調査は、(1)予備調査:調査協力者の確定(2)調査項目の検討・確定(3)アンケート調査票の郵送(4)調査票の回収(5)調査票の集計・分析の手順で行った。調査対象は、昭和40年から昭和63年までの全5学科卒業生(3954名)の内、連絡可能な870名とした。回答は511名からあり、回収率は58.7%。 集計の結果(1)回答者の約1/3が卒業後すぐ就職し、他は大学・専門学校等に進学している。(2)回答者の約3/4が、中堅になってから工業高校の専門教育と何らかの関係にある仕事をしている。(3)仕事への高校専門科目の有用性の評価:イ.実験・実習で習得した技能 ロ.実験・実習で習得した段取り ハ.製図で習得した技能、技術的知識 ニ.専門科目で学んだ実際的技術的知識 ホ.専門科目で学んだ理論の基礎について5段階で評価を求めた。5項目について平均4前後を示し、専門教育の有用性が支持され、ニ.とホ.がより高く評価されている。学科による特性の違いも明確に明確に現れた。(4)社会生活への高校教育の影響:具体的な体験を通じて、関連分野の技術的イメージを構成しやすくなった。15歳からの技術・技能教育によって技術的なセンスが身に付いた。などを評価している。総じて、工業教育への評価はかなり高いと考えられる。
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Research Products
(1 results)