2002 Fiscal Year Annual Research Report
保育者養成機関の新教育課程における環境教育の実態に関する調査研究
Project/Area Number |
12680192
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Research Institution | Kinki Welfare University |
Principal Investigator |
井上 美智子 近畿福祉大学, 社会福祉学部, 助教授 (80269919)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田尻 由美子 精華女子短期大学, 幼児教育学科, 助教授 (50216967)
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Keywords | 環境教育 / 幼児期 / 保育者養成 / 短期大学 / 教育課程 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の幼稚園教諭養成課程の課程改革に続き、保育士養成課程の教育課程が改革された年にあたるので、保育者養成課程を有する全国の私立短期大学202校に郵送でシラバス及び学生便覧の送付を依頼した。有効回答校は149校(73.8%)であった。幼稚園教諭養成課程における環境教育の実施実態は(1)環境教育は一般教育科目中心に行われている、(2)自然に関わる保育指導力の養成は領域環境で実施されている、(3)総合演習は環境教育を実施する場となり得ていないということだったが、今年度の保育士養成課程の改革においても変化はないことがわかった。前年度との比較によって違いが見出されたのは、保育士養成課程においても必修となったことから、総合演習を卒業必修としての扱いをするところが増えたという点のみであった。つまり、教育課程改革は前年度の幼稚園教諭養成課程の改革でほとんど終了しており、保育士養成改革にあたっては微修正が行われたにすぎないといえる。 今後10年程度は現行の教育課程のまま保育者養成は進められるので、教育課程上での新規開講を増やすなどの対応は非現実的であるといえる。したがって、一般教育科目の中での環境教育的内容の充実を図ると共に、環境教育を実施する科目とは見なしがたい総合演習が卒業必修としての扱いを受けることから、その実施のあり方や内容を充実することが望まれる。具体的には、様々な課題を全員が必修扱いで受講できる期間と個々の課題を選択して深めて学習する期間を合わせた形で実施し、一部分であっても全員が環境教育的内容を受講できるような体制づくりが求められる。 長期的には、環境教育が保育者養成の課題でもあることが認知されることが必要であるが、短期養成においては免許や資格関連科目だけで卒業単位を充足してしまうため、保育者養成が4年養成にシフトしていくことが求められよう。
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