Research Abstract |
平成13年度は,平成12年にひきつづき,主に,科学者のコミュニティを中心と見たとき,そのネットワークがどのように組織化されているか,科学教育へのリンクが存在するかどうかをフィールド調査し,分析した.具体的には,遺伝子工学を含む植物のバイオテクノロジー研究に加えて,高エネルギー物理学研究所において,様々な部門,専門間,および,研究所の外のコミュニティとのリンクがどのように組織化されているかを明らかにしようとするフィールド調査を行った. この調査によれば,加速器を設計し,運転,実験し,また,結果を分析するために,遺伝子工学とは対比的に,数百人規模のメンバーが関与し,また,専門分野としては,素粒子物理学を超えて,土木,建築,電磁気学,コンピュータ科学など様々な分野の研究に関わる.このように,同じ巨大科学といっても,素粒子物理学の場合は,個人実験が主体である遺伝子工学とは,基本的に異なった分業形態,あるいはネットワークが構築されていることが明らかになった.また,高エネルギー物理学研究所の場合は,科学教育への関心も深く,定期的に,高校生,大学生を集めて研修を行っており,教育へのアプローチも組織だっており,平成14年度からは高エネルギー物理学研究所を一つの拠点として科学実践と科学教育の具体的なリンクを構築していく方法と道具を探る.
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