2001 Fiscal Year Annual Research Report
個別化教授システム(PSI)のネットワークによる遠隔教育化に関する研究
Project/Area Number |
12680207
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
向後 千春 富山大学, 教育学部, 助教授 (00186610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山西 潤一 富山大学, 教育学部, 教授 (20158249)
鈴木 克明 岩手県立大学, ソフトウエア情報学部, 教授 (90206467)
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Keywords | 個別化教授システム / 教材開発 / Webベース教育 / 遠隔教育 / データベース / ネットワーク |
Research Abstract |
大学の「情報リテラシー」や「統計学」といった基礎的な科目で、個別化教授システム(PSI, Personalized System of Instruction)を実践した。この授業の特色は、Web化された教材の利用、受講生10人にひとりの割合でつくプロクター(指導者)、自己ペースによる進度、単元ごとの通過テストによる完全学習といった点にあり、従来の一斉授業に比較して、学生の満足度も学習成果もより高いものとなっている。 次の段階として考えられるのは、教材をネットワークで配信し、遠隔教育としてより自由度の高いシステムを作り上げることである。しかし、そこでポイントになるのは、PSI授業では生身の人間が行うプロクター(指導者)の仕事をどのようにしてネットワーク上で実現するかということになってくる。そこで、すでにできあがっている個別化教授システムとCD-ROM教材を見直して、遠隔教育化するための改善点、変更点を洗い出した。とりわけ、独習用教材の対話性をより高めて、わかりやすく、動機づけを高めるものとすること、自分の進度状況を簡単に確認できるデータベースシステムを使いやすくすることに焦点をあわせた。その結果、PSI授業を遠隔教育化するための、いくつかの指針を得ることができた。 これからの課題として、プロクター(指導者)をどのようにネットワーク上で実現するかということがある。インテリジェントなエージェントをプログラム化することにより可能なのか、あるいは実際には人間がある程度介入するのか、その場合は1人でどれくらいの学習者を担当できるのかなどが研究課題として残されている。こうした課題を解決することによって、遠隔教育の最大の問題点であるドロップアウトをできるだけ少なくできることが期待される。
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