2000 Fiscal Year Annual Research Report
マルチメディアを利用した外国語学習環境と学習者の学習行動に関する研究
Project/Area Number |
12680229
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岩居 弘樹 立命館大学, 法学部, 教授 (20213267)
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Keywords | 外国語学習 / マルチメディア / CALL / コンピュータ支援 |
Research Abstract |
今年度は、CD-ROMやインターネットを媒体としたマルチメディア語学教材についての調査分析、および学習者の利用状況の観察・インタビューを行った。多数の長所も見られるが、ここでは問題点のみを挙げる。 1.コンピュータを利用したマルチメディア環境は、従来のビデオ・オーディオ機器と比較すると、映像や音声の質に不十分な点がある。また操作性について学習者の利用状況を観察すると、コンピュータリテラシー導入教育を受けた程度の学習者の場合、学習に入る前に「操作」の段階でつまづいている。 2.ソフトウェアーのインターフェースにも問題がある。操作法がわからなくなったり、特に、音声レベルの調整ができなくなるような場合もある。ある程度の学習支援(オンライン辞書や解説など)は実現されているが、学習者が知りたいと思っている情報が必ずしも得られるまでにはいたっていない。また、大半のソフトウェアーには、利用者ごとの学習記録をとる仕組みが組み込まれているが、学習記録を集中管理し、学習指導や到達度評価に活用するということは想定されていない。 3.一定のカリキュラムに従って課題をこなしていくという線的な構造になっている点は、従来のビデオ・オーディオ教材などと変わりはない。いわゆるハイパーテキスト構造は取り入れられているが、自分の力に合わせたカリキュラムをたてること、必要な部分だけをピックアップして学習することなどには適していない。学習者がマルチメディア教材に求める機能についての調査が、今後必要だと思われる。 なおテレビ会議システムや音声認識などについては次年度の課題とする。
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