2000 Fiscal Year Annual Research Report
カテゴリー分析法とエスノグラフィー法の併用による剣道の授業分析研究
Project/Area Number |
12680240
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
浅見 裕 岩手大学, 教育学部, 教授 (00003955)
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Keywords | 剣道 / 授業分析 / 教師行動 / 学習者行動 / カテゴリー分析 / インタビュー / 形成的授業評価 / アンケート |
Research Abstract |
体育授業における教師の相互作用行動を研究対象とした教材の内、剣道は末だ取り上げていない。また、剣道学習では、竹刀を持ち、剣道具を身につけるという非日常的な状態で学習を行うため、課題の達成には他の種目以上の困難がともなうことが予想される。高橋は、体育の授業改善をめざした研究における今後の課題の一つとして「単元全体を対象にした事例的研究」(高橋、2000)の重視を指摘している。そこで平成12年度における本研究では、高校の剣道単元すべての授業を事例的に取りあげて観察・分析し、教師の相互作用行動と学習者の授業成果の関連について検討していくことにした。 研究対象は、平成12年9月から翌年2月にかけてI県立M高等学校で行われた1年生男子1クラスの剣道授業(10時間単元)である。高橋ら(1989)の開発した教師の相互作用行動観察法を用いて、VTRカメラ(ソニーDCR-VX2000)で撮影した映像をもとに教師の相互作用の分析を行った。また、教師の授業中の言葉すべてを逐語記録できるように、無線送受信マイク(ソニーWRR-805,WRT-805)を装着させ、VITRカセットテープに同調録音した。 一方、学習者については毎時間1人ずつ抽出し、授業時間中の学習行動をVTRに収録し、言葉活動をも逐語記録できるように、無線送受信マイクを装着させ、VTRカセットテープに同調録音した。さらに毎時間授業終了後、観察対象となった学習者に対して、彼らが授業についてどのように感じていたのかについてインタビューを行った。また、毎時間の授業成果を知る手がかりとして、高橋ら(1994)が作成した形成的授業評価票を実施した。同時に剣道授業についてのアンケート調査を学習者全員に実施し、剣道授業に対する態度の変容をも把握した。 現在、映像・音声・アンケートのデータを分析中である。今後は、I大学の剣道授業を研究対象としていくので、各地の大学における剣道授業の実態の聞き取り調査をもとに、授業計画案を作成中である。今後の分析では、高校と大学での教師行動・学習者行動の比較検討、学習者の授業評価との関連性を明らかにしていく予定である。
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