2000 Fiscal Year Annual Research Report
文字言語情報と音声言語情報の処理モデルに基づく英語学習システムの開発研究
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12680247
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平井 明代 筑波大学, 現代語・現代文化学系, 講師 (00312786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 康之 福島大学, 教育学部, 助教授 (90282293)
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Keywords | 音韻符号化 / 単語認知 / 聴解速度 / 読解速度 / リーディング / リスニング / 言語能力 |
Research Abstract |
初年度は、主に、海外の文献や関連図書を収集し、文字言語情報処理と音声言語情報処理のプロセスにおける相違点と類似点の基礎研究がどこまで行われているかを調査した。文字情報は視覚処理されるだけではなく、難しい単語に出くわした時ほど、声に出して読んでみる(subvocalization)ように、文字情報を音韻に符号化(phonological coding)する音韻処理も同時に行っていることがわかっている。これは、音声情報が音声処理される過程と類似している。そして、文字および音声言語情報がいったん単語レベルで認知されると、その後は共通の処理過程を経て理解に到達するのではないかという類似点に注目し、リスニングからリーディングへの技能や知識の転移を説明づけた。これに関する論文は現在投稿中である。 また、英語学習システムの開発に向けて、日本人学習者は、音声言語情報処理のどの過程でつまずくのかを調査した。その結果、本来生まれながらに持っている言語能力(language aptitude)、音声に対する繊細さ(phonological sensitivity)、単語認知(word recognition)、そして文章理解度のどのレベルにおいても、聴解速度および理解度テストの上位グループが下位グループより有意にすぐれていた。中でも、単語認知が最も重大な差を引き起こしていた。この研究成果の発表を第4回FLEAT(Foreign Language Education and Technology)国際学会(2000年7月末)において行った。 さらに、聴解および読解処理過程に密接な関連を利用して、リスニングおよびリーディング教材を導入するにあたって、どのような組み合わせで実際の授業に展開していくのが効果的かを検討し、様々な組み合わせ順序で実験を実施中である。
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