2000 Fiscal Year Annual Research Report
地域との連携をはかった民俗芸能の指導の方法論研究-総合調査と指針の作成-
Project/Area Number |
12680250
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
加藤 富美子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30185855)
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Keywords | 民俗芸能 / 学校と地域との連携 / 神楽 / 民謡 / 市町村教育委員会 |
Research Abstract |
地域の教育力を生かした民俗芸能の指導の意義および方法を明らかにするために、(1)全国の小中学校における民俗芸能の指導の全体像と、そこでの地域と学校の連携の方法を明らかにする、(2)特徴的な事例を絞り込み、実地調査による事例研究を通してその成果と問題点を明らかにする、の2点について以下のような方法で研究を進めた。 (1)全国市町村教育委員会1000ケ所にあてて「地域の民謡・民舞・民俗芸能の学習に取り組んでいる学校に関するアンケート」を送付し、各管内での情報収集を依頼し、各教育委員会から多大な協力を得ることができた。その結果については現在集計中だが、予期した以上に全国各地の数多くの学校で地域と連携をはかった民俗芸能の実践が行われていることが明らかとなった。 (2)第1回調査では宮崎県ならびに沖縄県において実地調査を行った。宮崎県では「刈干切り歌」「ひえつき節」「神楽」の地域での在り方について調査し、本場のすぐれた歌い手による演唱を収録し、民俗音楽とくらしとの関わりを考える資料とした。また、沖縄県八重山郡小浜島では、「種子取祭」を中心に年中行事と音楽の関わりについて調査を行った。 第2回調査では宮崎県椎葉村内の小中学校の実践(小学校4校、中学校1校)を対象とし、地域との連携をはかった民俗芸能の指導の方法論を整える資料として、さまざまな角度から調査を行った。各校での神楽、民謡、民舞への取り組みはすでに長い歴史を備えており、次年度以降の本研究の方法論を検討する上で多くの示唆を受けるものであった。
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