2000 Fiscal Year Annual Research Report
循環型社会の担い手を育てるゴミと資源・エネルギーに関する総合授業の開発
Project/Area Number |
12680275
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇高 順子 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (60116994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤松 純子 和歌山大学, 教育学部, 助教授 (40141709)
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Keywords | 循環型社会 / ゴミ / 資源 / エネルギー / 総合授業 / 小学校 / 中学校 / 高等学校 |
Research Abstract |
ゴミの増加とゴミ処理による新たな環境問題が深刻化し、便利な生活を保障してきたこれまでの生産・消費や社会システムを見直す必要が指摘されている。また、ゴミ問題を生じない循環型社会にしていくためには、ゴミ問題を資源・エネルギー問題として包括的に扱うことが必要であり、問題の体系的な理解と実践能力を育成する教育が必要である。そこで、自然界の循環原理の理解、それに基づく社会システムつくりの一貫した方策、その実践参加能力の育成、までを包含する総合授業を、小・中・高等学校の各学校段階を通じて系統的・体系的に構想し、さらにその構想の具体化をめざした。 12年度は「小・中・高等学校「総合授業:ゴミと資源・エネルギー」の学習内容構想」に基づき、小学校における授業内容を整理した。具体的には、学習項目「I.自然とは」は、生ゴミが土に還る観察をとおして、自然の循環を体感する。「II.ゴミが出る生活・出ない生活」は、最終処分場調査、およびリサイクル社会の江戸時代と現代生活の比較から、ゴミ問題の原因が、使い捨てによる自然循環の崩壊にあることを知る。「III.ゴミのゆくえと循環」では、生ゴミのたい肥化、処理がやっかいなプラスチックは最小限に減らす必要性、紙(製紙実験を通して)・ガラス・金属ゴミは再生が省資源・エネルギーになることから回収資源化の必要性をおさえる。「IV.LCAとは」は、資源化できないゴミが多い実態把握から、ゴミ処理に困らない商品開発の必要性の考え方をおさえる。「V.地球の温暖化」は、二酸化炭素発生の問題から、ゴミ焼却を減らす必要とゴミ減量が抜本策であることを知る。I〜Vの原理の理解に基づく対策をチェックシートとして「VI.まとめ」とした。なお、内容の一部を2000年10月第47回日本家政学会中国・四国支部会(岡山)で口頭発表した。
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