2000 Fiscal Year Annual Research Report
可変ハードウェアを備えたマルチスレッド計算機に関する研究
Project/Area Number |
12680326
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山口 喜教 筑波大学, 電子・情報工学系, 教授 (00312827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 祐悦 産業技術総合研究所, 電子技術総合研究所, 主任研究官
前田 敦司 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (50293139)
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Keywords | 可変ハードウェア / 並列処理 / マルチスレッド / FPGA / ハードウェア記述言語 / 暗号化 / Rijndael |
Research Abstract |
本研究を進めるための準備として、各種のシミュレーションやデータ解析を行うためのワークステーションの整備を行った。さらに、高水準のハードウェア記述言語からFPGAへの論理合成を実行するために、市販の論理合成用のソフトウェアを整備した。ハードウェアの実験環境としては、書き換え可能なハードウェアであるFPGAを用いて実験を行うためのシステムを構築した。これらの実験環境により、抽出されたハードウェア記述を、論理合成ツールによって、FPGAによるハードウェア表現まで変換するための準備を整えた。次に、本研究を進めるための1つの実際的な応用として、ネットワークプロセッサにおける高機能な処理をターゲットして設定した。そのような機能の典型的なベンチマーク例として暗号化をとりあげ、これを高水準のハードウェア記述言語で記述した。そのハードウェア・アルゴリズムを論理合成しさらにFPGAへ配置配線することによってハードウェア化における得失の評価を行った。具体的には、米国政府の次期標準暗号方式に採用されたRijndaelのアルゴリズムをハードウェア記述言語で記述し、その動作速度や回路規模などに関して評価を行った。また、並列化のオーバヘッドを見積るために、細粒度マルチスレッド計算機EM-Xを利用して、プロセッサ間での通信などによる遅延時間の変動によって、マルチスレッド処理における遅延の隠蔽効果がどのように影響するかについて評価した。ここでは、共有メモリを用いたベンチマークプログラムを用いて、リモートアクセスの遅延を隠蔽するマルチスレッドの効果およびキャッシュ化の効果との関連や種々のオーバヘッドなどについて評価を行った。この評価によって、ハードウェア化すべきルーチンの定量的な見積もりを行う基礎的なデータを得た。
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[Publications] 坂根広史,本多弘樹,弓場敏嗣,児玉祐悦,山口喜教: "細粒度通信機構を持つ並列計算機EM-Xにおける共有メモリプログラムの効率的実行"情報処理学会論文誌. 41,SIG8(HPS 2). 1-14 (2000)
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[Publications] Sakane,H.,Honda,H.,Yuba,T.,Kodama,Y.and Yamaguchi,Y.: "EFFICIENT EXECUTION TECHNIQUES OF SHARED MEMORY PROGRAMS ON THE EM-X DISTRIBUTED MEMORY MULTIPROCESSOR"Proc.Int.Conf.on Parallel and Distributed Computing and Systems (PDCS2000). 695-704 (2000)
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[Publications] Nikolova K.,Maeda,A.,Sowa,M.: "Parallelism-Independent Scheduling Method"Trans, IEICE. E83-A,6. 1138-1150 (2000)