2000 Fiscal Year Annual Research Report
自律的構成制御が可能なネットワーク接続ディスクに関する研究
Project/Area Number |
12680333
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
横田 治夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (10242570)
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Keywords | SAN / NAS / 記憶管理 / 自律ディスク / バックアップ / ルール記述 / 故障対策 / 障害回復 |
Research Abstract |
近年の先進的なアプリケーションソフトウェアは膨大な量の記憶領域を要求する。と同時に、磁気ハードディスクの記憶密度の向上も著しく、安価に大容量の記憶領域を提供することができる。これらは、記憶領域に対する需要も供給も大きいことを示している。この傾向は、記憶管理が益々重要性を増していることを示唆している。例えば、記憶サーバは、バックアップ、リプリケーション、スナップショット、障害回復といった機能を持つ必要がある。このことは、記憶容量の増大が、コストを増加させることを意味する。 我々は、記憶管理のコストを軽減するため、自律ディスク(Autonomous Disks)の概念を提案してきた。自律ディスクは、ディスク装置内の制御用プロセッサやキャッシュ用の大容量メモリを有効活用して、記憶管理の機能を実現することを目指している。このため、分散ディレクトリとECAルール記述、およびコマンド階層を採り入れ、ホストとの間のストリームインタフェースをベースに、ホストから透過的にに柔軟性の高い故障対策、障害回復、負荷分散等をコンパクトに実現できるようになっている。 本研究では、自律ディスクに関し、まず、ネットワークの利用効率を中心としたコスト見積もりを行い、自律ディスクの有効性を示した。次にPC上でJavaを用いて模擬自律ディスクを実装し、その実行時間の計測を行ない、オーバヘッド解析を行った。さらに、自律ディスクの中心的な機能の一つである非同期バックアップに焦点をあて、ルール記述によってバックアップのタイミングを変更する方法を示した。さらに、模擬自律ディスク上にバックアップ機能を実装し、負荷変動によるレスポンスタイムの変化と、バックアップのタイミング等によるレスポンスタイムによる影響を計測し、動的にバックアップ周期を調整する方法とその効果を示した。以上から、自律ディスクの有用性と実現性を示すことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasuyuki Mimatsu and Haruo Yokota: "A Performance Comparison between the DR-net and a Hierarchical RAID System"Proceedings of 2000 Pacific Rim International Symposium on Dependable Computing (PRDC 2000). 193-200 (2000)
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[Publications] 阿部亮太,横田治夫: "自律ディスクにおける非同期バックアップのルールによるタイミング調整"電子情報通信学会技術研究報告. DE2000-86. 119-126 (2000)
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[Publications] Haruo Yokota: "Performance and Reliability of Secondary Storage Systems"Proceedings of the 4th World Multiconference on Systemics, Cybernetics and Informatics (SCI2000). 668-678 (2000)
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[Publications] 横田治夫: "磁気ハードディスクの大容量化と高性能データ処理"bit. 32. 76-82 (2000)
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[Publications] 阿部亮太,横田治夫: "自律ディスクと従来のディスクのコスト比較"第11回電子情報通信学会データ工学ワークショップ論文集. 3B-1. 1-8 (2000)
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[Publications] 安部洋平,横田治夫: "Javaによる耐故障ネットワーク接続ディスクのルール処理の実装"第11回電子情報通信学会データ工学ワークショップ論文集. 3B-2. 1-8 (2000)