2000 Fiscal Year Annual Research Report
群ロボットを用いた創発型コミュニケーションの進化に関する研究
Project/Area Number |
12680378
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
有田 隆也 名古屋大学, 人間情報学研究科, 助教授 (40202759)
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Keywords | 創発 / コミュニケーション / 人工生命 / 囚人のジレンマ / 進化 |
Research Abstract |
本研究では、人間の言語へと進化する第一歩と考えることのできる動物生態に見られる食物コールから着想を得た,コミュニケーションの創発・進化を対象としたモデルを構成し、コミュニケーションシステムに内在する多様性の進化に関する構成的理解を得るために、人工生命的手法に基づいたシミュレーションを行った。その結果、語彙の共有状態の進化は突然変異の大小に応じて4クラスに分類できることがわかった.特にそのうちのクラスBでは、言葉の統一状態と複数の言葉の共存状態が交互に現れる興味深いものであった.さらに,本モデルにおいて観察された語彙の多様性を、群ロボットシステムへ適用することを念頭においたエージェントモデルのシミュレーションを行った。その結果、語彙を進化させた場合のほうが、エージェントの平均満腹度が他のケースに比べて高いことがわかった.つまり、語彙の自律的な進化によって、適度な大きさの語彙を共有するグループに分かれ、全体として、タスクの実行効率が高められたということを意味し、工学的な応用可能につながると考えられる.本研究では、これらの一連の成果を踏まえ、コミュニケーションを一般化したエージェント間相互作用に基づいて、進化と学習という2つの適応メカニズムがどのように作用するかをゲーム論的な設定の下で、シミュレーション実験で探求した。その結果、進化と学習の相互作用の典型的な表出であるBaldwin効果が観察され、創発した戦略が,進化的に安定である条件を満たし,可塑性を有効に活用した強力な戦略であることが判明した.
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Research Products
(2 results)