2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680388
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
廣川 佐千男 九州大学, 情報基盤センター, 教授 (40126785)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 大輔 九州大学, 情報基盤センター, 講師 (00294992)
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Keywords | 幾何推論 / DCモデル |
Research Abstract |
自動推論の研究において、幾何推論は重要な分野のひとつである。その初期においては一階述語論理による推論が用いられ、現在、研究の重点は代数や記号論理の組合せに移行した。一方Koedinger等は認知科学的な観点から、DCモデルを考案した。 DCモデルは論理的推論を行なうモデルでありながら、推論の制御に具体的な図の幾何情報を用いている。人間が幾何の問題を解くとき、問題図の中に現れる特徴的なパターンに着目して推論を進めることが多い。このとき、人間はそのパターンから関連した幾何定理を想起していると考えられる。DCモデルはこの様子をモデル化したものであり、パターンと関連する幾何知恵吏をDCスキーマと呼ばれる知識構造として定式化した。DCモデルは推論にこの知識構造を用いる。 一般の論理的推論では推論の各ステップで、規則のインスタンスを生成するので組合せ爆発が起きる。これに対しDCモデルでは対象として考えている問題図の中から特徴的なパターンを抽出し、対応するスキーマを使って公理のインスタンスを生成する。この結果、探索空間は論理的情報だけの推論の場合より非常に小さくなる。従ってDCモデルの本質的な推論作業は問題図から図形パターンを抽出する作業にある。 本年度の研究では、DCモデルの図形パターンの抽出のため、「長辺」という新しい概念を考案した。この概念に基づくパターン抽出アルゴリズムを実装し、具体的な図形に対して実験を行ない、従来の手法と比較より高速化できたことを確認した。
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