2002 Fiscal Year Annual Research Report
アナロジーによる学習・類推・発想:ニューラルネットと認知心理による同時研究
Project/Area Number |
12680390
|
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
安井 湘三 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (50132741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 宏昭 青山学院大学, 文学部, 助教授 (50192620)
下薗 真一 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70243988)
|
Keywords | アナロジー / 学習 / 類推 / 抽象化内部モデル / 刈り込み / 隠れ素子 / ニューラルネットワーク / 独立成分解析(ICA) |
Research Abstract |
アナロジーは認知科学、心理学、教育学、科学史AIなどで研究されてきた。本研究が提出したアナロジーを行うANN(人エニューラルネットワーク)は比較的シンプルで、そこにはアナロジーを構成する事物の概念の相互関係に対して抽象化、抽象化内部表現モデルの生成、脱抽象化という自律プロセスが内在する独自のものである。その中核は、本研究代表者が過去に開発したCSDFと呼ぶ多入力多出力ANNの構造淘汰(刈り込み)原理である。 本年度は主に、咋年度からは、本テーマから派生したCSDFの応用に取り組んだ。その対象は、混合された複数の未知信号を分離抽出するという咋今注目を集めている新技術でICAあるいはBSSと呼ばれているものである。また、人間の脳内にも似たようなメカニズムが存在すると考えられている。我々のBSSの方法は、情報理論に基づいた従来のものとは根本的に異なる。センサー信号を入力としたオートエンコーダANNに恒等写像学習を行わせ、同時にデコーダ部分にCSDFを施す。すると、CSDFに抗して生き残った非線形隠れ素子が源信号を分離再生する。また、同時に、デコーダ行列は源信号-センサ間の混合行列を再現する。すなわち、隠れ層-出力層に発現する部分は外部世界(源信号-センサ)の内部表現モデルとなり、この点アナロジーの場合と一脈通じる。従来法と比べた技術的利点は、(1)幅広い種類の源信号に対処可能、(2)源信号の数は不明で良い、(3)高い適応性とロバスト性、などである。本年度は、これらの特長や利点を音声や画像の実データのケースについて実証することが出来た。
|
Research Products
(12 results)
-
[Publications] Syozo Yasui: "Blind source separation by sensor-signal identity mapping with hidden-layer pruning"Proc. Of 2002 International Joint Conference on Neural Networks. Vol.2. 1305-1309 (2002)
-
[Publications] 高橋俊太郎: "構造刈り込み付きニューラル・オートエンコーダによる混合画像の分離"日本神経回路学会第12回全国大会講演論文集. 45-48 (2002)
-
[Publications] 中村 洋: "刈り込み付きオートエンコーダを用いた独立信号分離抽出の適応性とロバスト性"日本神経回路学会第12回全国大会講演論文集. 137-140 (2002)
-
[Publications] 徳永憲洋: "モジュール競合学習による自己組織化マップ"日本神経回路学会第12回全国大会講演論文集. 315-331 (2002)
-
[Publications] Tetsuo Furukawa: "Nitric oxide controls the light adaptive chromatic difference in receptive field size of Horizontal cell network in carp retina"Experimental Brain Research. 147. 296-304 (2002)
-
[Publications] Syozo Yasui: "Picture blind source separation by auto-encoder identity mapping with structural pruning"Proc. Of International Conference on Neural Information Processing. Vol.3. 1393-1397 (2002)
-
[Publications] 徳永憲洋: "SOM型モジュラーネットワーク:モデル群関係の自己組織化マップ"電子情報通信学会技術研究報告. 102,628. 79-83 (2003)
-
[Publications] 齊藤光俊: "競合モジュラーネットによる気象データ分類とモデル推定"電子情報通信学会技術研究報告. 102,628. 85-93 (2003)
-
[Publications] 徳永憲洋: "モジュラーネットによるモデル群の自己組織化マップ"自己組織化マップ研究2003講演論文集. 37-42 (2003)
-
[Publications] 植田一博: "課題分割の可視化によるインターフェース"認知科学. 9,260. 260-273 (2002)
-
[Publications] 栗山直子: "類推的転位における類似性認知の変化"日本認知科学会第19回大会発表論文集. 140-141 (2002)
-
[Publications] 阿部慶賀: "眼球運動に見る洞察問題解決過程における制約緩和"日本認知科学会第19回大会発表論文集. 154-155 (2002)