2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680401
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
木村 泉 中京大学, 情報科学部, 教授 (50015525)
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Keywords | 練習の巾乗法則 / 認知運動技能 / 作業時間 / 長期的練習 / スランプ / 折り紙 / 連の数による検定 / ACT-R |
Research Abstract |
先に行なった科学研究費補助金による研究「長期的練習における成績変化の微細構造とその応用」(平成9〜11年度)では、ある創作折り紙作品を繰り返し折るという作業課題を取り上げ、それを常識を超える長期にわたって継続し、作業時間の消長を調べた。結果は大筋では周知の「練習の巾乗法則」に従っていたが、どの実験参加者のデータにも、規則的な変動(しばしば当事者には好調時とスランプの交替する波として認識される)が随伴していた。これらの変動の成因を突き止め、ひいては練習による技能習得の本質的メカニズムに迫るため、本年度は次のことを行なった。 1.前記の折り紙実験を、3名の実験参加者について続行した。平成13年2月末日現在、参加者PAは76,563試行、PE1は43,496試行、PE2は49,531試行を完了している。前記め規則的波動に、周期が延びていく傾向があることは、前年度までに確かめられていたが、本年度の結果によれば、その傾向は当初予測されたより強く、3名とももう少しで最好調のピークを迎えそうに見えながら、なかなかそこに到達しない、という状態が続いている。 2.手持ちのすべてのデータについて連の数による統計的検定を試みた。その結果、それらはとうてい「練習の巾乗法則を基本とし、そこにランダムな変動が乗ったもの」とは解釈し得ないことが判明した。 3.前記の規則的波動を理論的に説明する可能性を探るため、文献調査を行なった。現時点ではJohn R.AndersonらのACT-R4.0が、特にサブシンボリックな学習なるものを考えている点で、大いに有望と考えられる。
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Research Products
(1 results)