2000 Fiscal Year Annual Research Report
複数の動的輪郭モデルの競合による領域抽出法に関する研究
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12680410
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
阿部 亨 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (80222652)
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Keywords | 対話的画像処理 / 領域抽出 / 動的輪郭モデル / 画像の統計的特徴 / 動的輪郭モデルの競合 / 動的輪郭モデルの初期設定 |
Research Abstract |
本年度の研究により,一つの抽出対象へ複数の動的輪郭モデル(ACM)を適用し複数の小領域の集合として対象領域全体を抽出する手法に関して以下の成果が得られた. 1.複数のACMの初期設定法に関する検討 画像特徴に基づいた統計測度で複数のACMを制御する場合,正確な領域抽出を行うためには,初期設定の段階から各閉曲線Cが囲む領域内で画像特徴を均一に保つ必要がある.この条件を満たすには,画像中特徴量が比較的均一な箇所を複数選び,そこにCを設定する必要がある.このような作業を全て手動で行うことは大変な労力を要するため,本研究では,対象領域の内外へ少数の初期曲線Lを設定し,この初期曲線群から多数のCを自動的に生成することで初期設定に要する手間の軽減を図るアプローチについて検討を行い,次の手法を提案した. ・各Lを複数の曲線片Sに分割し,得られたSを各々膨張させることにより多数のCを生成する手法. ・その際,各L内での画像特徴に基づいて階層的クラスタリングを行い,Lを複数のSに分割する際の最適な分割箇所(画像特徴の各S内での分散を最小とする箇所)を自動的に決定する手法. ・Lを複数のSに分割する際に,AICを用いることで適切な分割数(Sの個数)を決定する手法. 2.プロトタイプ・プログラムの実装および評価 プロトタイプ・プログラムを実装し,上記提案手法についての評価実験を行った結果,以下の知見が得られた. ・提案手法により,領域抽出精度を低下させることなく,初期設定に要する手間の削減が可能であることが検証できた. ・提案手法を用いることにより,適切な分割数が決定できることが確認できた. ・提案手法では,Lの設定箇所を変えても抽出結果が大きく変化しないことが確認できた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 松澤悠樹: "複数の動的輪郭モデルの競合による領域抽出"電子情報通信学会論文誌. J83-D-II・4. 1100-1109 (2000)
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[Publications] Toru Abe: "A Region Extraction Method using Multiple Active Contour Models"Proc.of IEEE Computer Society Conference on Computer Vision and Pattern Recognition. Volume I. 64-69 (2000)
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[Publications] 杉林大樹: "初期輪郭線から得られる情報を利用した動的輪郭モデルによる領域抽出"平成12年度電気関係学会北陸支部連合大会講演論文集. F-24 (2000)
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[Publications] Toru Abe: "Multiple Active Contour Models with Application to Region Extraction"Proc.of 15th International Conference on Pattern Recognition. Volume I. 626-630 (2000)
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[Publications] Toru Abe: "Region Extraction with Multiple Active Contour Models"Proc.of 2nd International Workshop on Digital and Computational Video. 4.1 (2001)
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[Publications] 松澤悠樹: "物体輪郭に沿ったクラスタリングに基づく領域抽出(2001年3月16日発表予定)"電子情報通信学会技術研究報告. (2001)