2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680419
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
高良 富夫 琉球大学, 工学部, 教授 (70163326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 節 沖縄女子短期大学, 商業科, 助教授 (60290665)
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Keywords | 古典琉球語 / 音声合成 / おもろそうし / 歌唱 |
Research Abstract |
琉球方言は、言語学上、日本語の中で特異な位置を占める。これを研究することにより、他の方言にはない特別の視点から日本語を眺めることができるので、日本語の研究に大きく寄与することができる。 そこで我々は、デイジタル音声処理の手法により、音声を人工的に合成し、琉球方言の音声を高精度に分析した。さらに、琉球方言の中の多様な各方言を合成することができる凡用音声合成システムを開発し、多様な方言の高精度分析を可能にした。 しかし、この汎用音声合成システムは、時間的な広がりに関しては限界があった。すなわち、このままでは古典琉球語の音声は合成できない。沖縄には「おもろそうし」のように古典琉球語でつづられた詩歌があり、しかもその一部は歌唱が伝承されている。琉球方言を含む日本語の研究を、空間的だけでなく時間的にもさらに広げるためには、これら古典琉球語の研究が不可欠である。 そこで本研究では、古典琉球語で書かれたテキストから音声を合成するシステムを開発する。このシステムにより、古典琉球語をモデル構成論的に研究し、その実態を明らかにする。本年度は「おもろそうし」の伝承された謡曲の楽譜を分析することにより、「おもろそうし」のテキストから歌唱音声を自動的に生成するするシステムを構成した。このシステムにより、伝承された謡曲は70%の精度で正しく再現することができた。よって、この精度で、古典琉球語の音声に関する法則性が明らかになったといえる。今後は、このシステムをさらに高精度化する必要がある。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Takara, R.Chinen, K.Funaki: "Japanese to Ryukyuan Language Translation System with speech Output and Its Application to Education"2nd International Conference on Information Technology Based Higher Education and Training. FD2. 71 (2001)
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[Publications] T.Takara.P.Seresangtakul: "Study on Synthesis of Pitch Contour of Thai Tone"日本音響学会講演論文集I. 秋季. 231-232 (2001)
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[Publications] T.Takara, DO Trong Tu: "Word Synthesis in a Vietnamese Text-To-Speech(VieTTS)System Using Demisyllable-Dased Cepstrum Method"日本音響学会講演論文集I. 秋季. 241-242 (2001)
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[Publications] 高良富夫, 泉和人: "歌声のホルマントのある歌声の音の大きさについて"日本音響学会講演論文集I. 秋季. 439-440 (2001)
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[Publications] 知念忍, 高良富夫: "古典琉球語謡曲の旋律の分析と合成"日本音響学会九州支部平成13年度学生のための発表会. P5-P8 (2001)