2001 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系理論による複合的社会システムの分析とリスク管理への応用に関する研究
Project/Area Number |
12680445
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
時永 祥三 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (30124134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 哲也 九州大学, 大学院・経済学研究院, 助教授 (00209165)
中井 達 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (20145808)
岩本 誠一 九州大学, 大学院・経済学研究院, 教授 (90037284)
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Keywords | 複雑系 / 社会システム / リスク管理 / カオス / フラクタル / 動的計画法 / 確率追跡 |
Research Abstract |
本研究では,複雑系理論による複合的社会システムの分析とそのリスク管理への応用について研究を進め,(1)複合的社会におけるリスク分析,リスク管理の現状分析,(2)複雑系によるシステム挙動の逐次観測とその移行過程(自己組織化)の解明,(3)経済社会のマクロレベルでのシステム記述と複雑系理論による予測と動的最適化の3つの分野について研究実績を残すことができた。具体的には,複合的社会システムの現状を自己組織的なダイナミカルモデルとして定式化することを基本方針として進め,不完備情報のもとでの予測理論,GA,カオス・フラクタル理論により分析の基本的手法を確立した。推論ルールの具体的な記述方法として多段ファジイなどの言語的システムを考察し動的最適化の理論を適用した。更に,企業における動的環境におけるリスク管理の現状,意思決定のありかた,公共政策における決定プロセスを事例として集積した。多量のデータからリスク管理に有効な多段ファジイルールを構成する場合の帰納的学習の基礎理論を遺伝的アルゴリズムを用いて開発した。不確実情報を含む計画問題の経済社会システムヘの適用として結合ネットワークとして表現されたマクロ経済モデルをとりあげ,複雑系理論および動的計画法の理論に関する現在までの成果を応用した。 以上の研究について,日本国内および海外の研究者との相互討論を行うと同時に,得られた結果を日本オペレーションズリサーチ学会,情報処理学会,日本経営工学会,経営情報学会等の研究会および学会誌等で随時公表した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 時永祥三, 岸川義紀: "Approximation of multi-dimensional chaotic dynamics by using the multi-stage fuzzy inference systems"電子情報通信学会論文誌. E84-A, 9. 2128-2137 (2001)
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[Publications] 時永祥三, 池田欽一: "Controlling the chaotic dynamics by using the approximated system equations obtained by the GP"電子情報通信学会論文誌. E84-A, 9. 2118-2127 (2001)
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[Publications] 時永祥三, 池田欽一: "Approximation of chaotic dynamics by using smaller number of data based upon the GP and its application"電子情報通信学会論文誌. E83-A, 8. 1599-1607 (2000)
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[Publications] 岩本誠一: "A class of dual fuzzy dynamics preprogramming"Applied mathematics and Computation. 120. 91-108 (2001)
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[Publications] 岩本誠一: "Fuzzy decision-making through three dynamic programming approaches"Intentional Journal of Fuzzy Systems. Vol3, No4. 520-526 (2001)
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[Publications] 中井 達: "離散時間の信用リスクのある割引債券モデル"京都大学数理解析研究所講究録. 1207. 1-21 (2001)
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[Publications] 時永祥三: "複雑系による経済モデル分析"九州大学出版会. 234 (2000)