2000 Fiscal Year Annual Research Report
二車線高速道路交通流-シミュレーションと実測データ解析-
Project/Area Number |
12680446
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
只木 進一 佐賀大学, 学術情報処理センター, 教授 (00202169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西成 活裕 龍谷大学, 理工学部, 助教授 (40272083)
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Keywords | 交通流 / 結合写像模型 / 離散模型 / 実測データ / オンラインデータベース / シミュレーション |
Research Abstract |
近年、交通流現象のモデル化とシミュレーションが活発に行われている。これらの多くは一車線の高速道路に対応するモデルである。現実の多くの高速道路が二車線以上であり、車線変更などに対応できるモデルの構築が待たれ、本課題の研究の他、セルオートマトンに基づく幾つかのモデルが提案されている。また、利用可能な交通流の実測データが少ないため、十分な実測との比較が行われていないのが現状である。 本研究では、これまで研究代表者(只木)らが中心となって開発して来た、最適速度モデルを離散化した結合写像モデルを改良し、二車線以上の高速道路へ拡張し、より現実的な高速道路上の交通流の性質を明らかにすることを目的としている。また、実測データとの比較研究のため、研究分担者(西成)らが整理してきた実測データをデータベースとして整理し、基本的な解析を行うことが可能なオンラインシステムを構築することを目的とする。 本研究の結合写像型最適速度モデルでは、各車両の位置及び速度は、先行車両との相対距離によって決定される。また、その関数の持つパラメタは各車両ごとに割り振られる。このような系のシミュレーションの場合、通常のプログラミング言語より、オブジェクト指向言語と呼ばれるものが有用である。オブジェクト指向言語を用いると、車両の類型を表すクラスを使って、個々の車両のオブジェクトを生成し、それらのオブジェクトに、走行や観測などのメッセージを送ることでシミュレーションを実行することが出来る。本研究では、C++というオブジェクト指向プログラミング言語を用いてシミュレーションコードの開発を行なった。 平成12年度は、結合写像最適速度モデルに対して、簡単な車線変更規則を導入したシミュレーションを行った。また、オンラインでの交通流実測データ解析のプロトタイプを構築した。シミュレーションの結果を実測データと比較することで、統計的性質の再現が可能であることを確認した。しかし、渋滞発生中の詳細な性質の再現には至っていない。実測データ解析及び二車線モデルとの比較の論文を準備中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Tadaki,M.Kikuchi,Y.Sugiyama and S.Yukawa: "Congestion in Multi-lane Roads with Coupled Map Traffic Flow Model"Y.Hiwatari, et.al.ed.Proc.5th Intern.Conf.on Comp.Phys. (Prog.Theor.Phys.Suppl.138).. 594-595 (2000)
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[Publications] M.Kikuchi,Y.Sugiyama,S.Tadaki and S.Yukawa: "Asymmetric Optimal Velocity Model for Traffic Flow"Y.Hiwatari, et.al.ed.Proc.5th Intern.Conf.on Comp.Phys.(Prog.Theor.Phys.Suppl.138).. 549-554 (2000)
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[Publications] M.Kikuchi,Y.Sugiyama,S.Tadaki and S.Yukawa: "Congestion in Multi-lane Coupled Map Traffic Flow Model"M.Tokuyama and H.E.Stanley ed.Statistical Physics(AIP). 578-580 (2000)
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[Publications] K.Nishinari and D.Takahashi: "Multi-value Cellular Automaton Models and Metastable States in a Congested Phase"Journal of Physics A : Mathematical and General. Vol.33,No.43. 7709-7720 (2000)