2000 Fiscal Year Annual Research Report
積雪寒冷地域の凍結・融解災害の地域特性と防止対策に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12680468
|
Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 驍 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (80042315)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜田 良治 秋田工業高等専門学校, 環境都市工学科, 助教授 (60290699)
長谷川 武司 秋田工業高等専門学校, 自然科学系, 教授 (10004409)
|
Keywords | 凍結・融解現象 / 凍結指数 / 時系列変動 / スペクトル解析 / 地域特性 |
Research Abstract |
積雪寒冷地域の凍結・融解災害の地域的特性を調査研究するため、本年度は主として実験設備を購入し、さらに凍結・融解現象解明のための広域的な気象資料収集を行い次のような実績を得た。 (1)小型低温環境試験機を購入し、凍結・融解現象解明の試験準備に入った。また、試験用の路床土採取のため、道路工事施工現場を検索したところ、現在施工中の秋田北空港付近における道路付け替え工事現場が適切と考え、この路床土を採取し、試験用の試料調合に着手した。 (2)今冬は凍結災害が頻繁に報じられたことから、2001年1,2月の凍結指数を分析しその分布について調査した結果、今冬の災害を裏付ける凍結指数の上昇が全般的に生じていたことが判明した。 (3)厳冬期(1,2月)の日最低気温を全国各地の気象台開設以来の気象資料を対象に時系列解析を行ったところ、札幌、旭川等の高緯度ほど温暖化が顕著であり、ここ50年間で2.5〜3℃の上昇がみられ、秋田では2.5℃、福井で1.5℃前後の上昇があったことが判明した。 (4)凍結指数、凍結深、海抜高度間に一定の法則(対数分布則)があることを見出した。この分布則では土地それぞれで分布則の係数が異なるいわゆる地域特性があることも見い出された。 (5)凍結・融解現象のうち地盤破壊に強く関わる温度幅Tmin≦-4℃〜Tmax≧+4℃の出現確率は近年低めになり、沿岸部では特に少なくなっていることが判明した。 (6)凍結指数の時系列解析によると、秋田県内の卓越周期は8〜9年に有り、特に1985年頃より減少傾向がみられ地盤の凍結深が浅くなるという温暖化傾向が明瞭であることが判明した。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] ITO Takeshi,ITAGAKI Yosuke,HASEGAWA Takeshi: "Time Series Characteristics of Daily Air Temperature Related to Freezing-Thawing Frequency in the Northern Honshu of JAPAN"Proc.of ISCORD'2000. 1. 350-353 (2000)
-
[Publications] 伊藤驍: "アスファルト乳剤を用いた低品位未利用骨材の活用に関する研究"あすふぁるとにゅうざい. No.138. 3-9 (2000)
-
[Publications] ITO Takeshi: "Investigations on mechanism of landslide in the snowy regions"Proc.of Snow Engineering-Trondhheim, Balkema. 1. 59-64 (2000)
-
[Publications] 伊藤驍: "積雪寒冷地帯における気象変動と地盤災害の諸問題"土と基礎. Vol.49,No.1. 5-8 (2000)
-
[Publications] ITO Takeshi: "Strain softening of unsaturated swelling clays"Proc.Of Clay Science for Engineering, Balkema. 1. 137-142 (2001)
-
[Publications] 伊藤驍,伊藤宏幸,鵜沼雄一: "セリサイトを含む地盤の圧密沈下予測法とレオロジ-特性に関する研究"東北地域災害科学研究. 第37巻. 223-228 (2001)
-
[Publications] 伊藤驍,板垣陽介: "凍結・融解繰り返し現象とその地域特性に関する基礎的研究"国立秋田高専寒冷センター年報. No.14. 7-16 (2001)