2001 Fiscal Year Annual Research Report
高機能化合金ゲッターによる混合ガス系からのトリチウムの直接除去に関する研究
Project/Area Number |
12680488
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
波多野 雄治 富山大学, 学内共同利用施設等, 助教授 (80218487)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正憲 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 助手 (00334714)
松山 政夫 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 教授 (90135004)
渡辺 国昭 富山大学, 水素同位体科学研究センター, 教授 (50001326)
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Keywords | トリチウム / ゲッター / ジルコニウム合金 / 表面改質 / パラジウム / 耐久性 / 失活 / 被毒 |
Research Abstract |
核融合炉では、炉心から排出されるトリチウムや重水素を共存するHeや炭化水素、水蒸気等から安全に分離し再利用する必要がある。室温付近で低い平衡水素分圧を持つ水素吸蔵合金にトリチウムや重水素を選択的に吸収させれば安全にトリチウムを回収できるが、共存する酸素や炭素の被毒効果による水素吸蔵合金の失活が問題となる。本研究ではZrNiをモデル材料として、高い耐久性を有する高機能表面を得るための表面改質法を探索した。 昨年度までに、表面にPdを無電解めっきすると、473K以上の温度領域で耐久性が著しく向上することを見出した。平衡水素分圧の観点からはより低温で使用することが好ましく、今年度は低温で活性が維持できる表面改質法の開発に主眼を置いた。無電解めっきの場合には、被膜の密着性を高めるため一旦高温(1073K)に加熱する必要があった。この際、PdとZrが反応しZrPdが形成され、表面にZrが現れた。このZrが酸化膜を形成することが低温で失活する原因だと考えた。そこで、今年度は清浄表面に直接被膜を形成できるスパッタ蒸着法を選択した。 ZrNi粉末を攪拌しながら、Ar中でPdをスパッタ蒸着した。X線回折測定等の結果から、被膜はPd単相であり、金属間化合物は形成されていないことがわかった。水素吸収特性に及ぼす表面不純物の影響を明らかにするため、大気に暴露した試料の活性化特性を調べた。Pdを被覆していない場合には、873K以上の温度で活性化しないと顕著な水素吸収を示さなかった。一方、Pd被覆をほどこした場合には、吸着水の脱離温度程度(423K)での活性化で十分であった。この結果は、被膜上ではPd以外の元素は気相と接していないため安定な酸化膜が形成されないことを示しており、低温でも高い耐久性が期待される。 なお、設備備品として購入したマススペクトル分析装置は、気相中の不純物ガス分圧の測定に用いた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Ashida, Y.Hatano, W.Nishida, K.Watanabe, A.Amano他2名: "Recovery of Hydrogen Isotopes by Pd-coated ZrNi from Inert Gas Atmosphere Containing Impurities"Journal of Nuclear Science and Technology. 38巻(11号). 952-958 (2001)