2000 Fiscal Year Annual Research Report
流れ場の解析による風力エネルギー実用化に関する数値的研究
Project/Area Number |
12680500
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
河村 哲也 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 教授 (40143383)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 農 鳥取大学, 工学部, 教授 (00093063)
佐藤 浩史 お茶の水女子大学, 人間文化研究科, 教授 (10017197)
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Keywords | 風力エネルギー / サボニウス風車 / 抗力型風車 / 数値シミュレーション / 非圧縮性流れ / フラクショナルステップ法 / 領域分割法 / 流れの可視化 |
Research Abstract |
本研究の主要目的は、乾燥地における揚水用の風車まわりの流れ場を数値シミュレーションにより解析して風車実用化に対する問題点を明らかにし、さらに改良を行う上での基礎データを得ることにある。本年度はこの点を踏まえて、サボニウス風車まわりの2次元流れ場の解析を行った。2次元ナビエ・ストークス方程式を風車とともに回転する座標系で表現し、標準的なMAC法およびフラクショナルステップ法で解いた。両者とも同様の結果となったが、計算時間の点で後者が有利であった。トルク係数やパワー係数は既存の実験データをよく再現するものであった。サボニウス風車の効率は、周速比やブレードの重なり比に依存するため、これらのパラメータを変化させて流れ場のデータを集めた。また、コンピュータグラフィックスを用いて、圧力場の時間変化を可視化して、風車のトルクの大小と圧力場の関係を視覚的に捕らえた。サボニウス風車は2枚のブレードで構成され、回転中に1枚は風のエネルギーを得るが、もう1枚は回転の抵抗として働く。そこでサボニウス風車前方に、抵抗を少なくするための衝立を立てた場合の影響についても調べ、風車の効率向上に大きく寄与することも数値的に示された。この場合、衝立は回転しないため、数値計算においては領域分割法を用いて、回転部分と非回転部分とにわけて計算ステップごとにつなぎ合わせるという方法を用いた。流れ場の解析から、この計算法は妥当な結果を与えることが明らかになり、数値計算法の開発という点からも成果が得られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 菅牧子: "Numerical Study of Flaw Structure around a Flat Plate Standing on the Sand"Theoretical and Applied Mechanics. 49巻. 197-203 (2000)
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[Publications] 岡秀行: "Numerical Simalation on the Propagation of Water Waves"Theoretical and Applied Mechanics. 49巻. 179-190 (2000)
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[Publications] 岩津玲磨: "Toward the Numerical Simulation of the Flows Induced by Room Fire"Journal of Physical Society of Japan. 69巻4号. 1075-1083 (2000)
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[Publications] 菅牧子: "さまざまな形状をもつ柱に対する洗掘現象の数値的研究"日本機械学会論文集B編. 66巻646号. 1266-1272 (2000)
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[Publications] 安井民子: "Numerical Study of the Flow around Savomius Rotors under its operation"Abstracts of First International Conference on Computational Fluid Dynamics. 347-348 (2000)
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[Publications] 宮下和子: "サボニウス風車まわりの流れと動特性"日本流体力学会2000講演論文集. 435-436 (2000)
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[Publications] 河村哲也: "環境工学入門"インデックス出版. 195 (2000)
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[Publications] 河村哲也: "数値計算の理論と実際"科学技術出版. 291 (2000)