2001 Fiscal Year Annual Research Report
放射線管理測定器としてのイメージングプレートの応用における定量評価法の確立
Project/Area Number |
12680506
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大内 浩子 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教務職員 (10241522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山寺 亮 東北大学, サイクロトロン・RIセンター, 助教授 (90004465)
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Keywords | 受動型積算線量計 / イメージングプレート / フェーディング補正関数 / 定量測定 / 放射線モニタリング / アニーリング / PSL |
Research Abstract |
半減期の異なるいくつかの成分の和としてフェーディング補正関数を開発し、放射線照射によって生成した着色中心(Fセンター)に異なる熱的な活性化エネルギーのいくつかのレベルがあることを明らかにした。次に、市販の3種類のイメージングプレート(IP;BAS-TR,UR,MS)を用いて、補正関数のα,β,γそれぞれの線種による依存性及び同一線種においてのエネルギー依存性について検討を行い、いずれのIPにおいても、α線が大きく寄与する短半減期の第1成分の成分比以外、α、β、γ線の線種差によるフェーディングの差は認められないこと及び同一線種においてのエネルギー依存性は認められないことを示した。これにより、それぞれのIPにおいて固有の関数を作成しておけば、線種差又はエネルギー差に依存せず一つの関数によりフェーディングの補正が行えることが明らかになった。アニーリングにより比較的短い半減期の成分をfade outさせトラップ電子を意図的に解放してやれば、累積線量の定量測定を安定して行うことが可能になる。ただし、同時に感度も低下するため、最適条件の検討をこの関数を利用して行った。 1ヵ月積算計としてのIPの環境モニタリングヘの実用性の評価を、BAS-MSを用いて放射線施設の加速器周辺及び管理区域境界において行った。その結果、読み取り前のアニーリングにより、個々の素子が置かれた環境中でのフェーディングの差による影響を少なくし積算線量計として高感度で定量測定できることが示された。15%の精度で求まる線量を検出感度とすると、IPの読み取り面積が600mm_2のときアニーリング温度60、70及び80℃のそれぞれで0.21、0.46及び1.4μSv/月と算出され、受動型積算線量計としての感度は充分保たれることがわかった。高温でのアニーリングはPSL値の低下を招くが、繰り返し測定でPSL値を加算することにより感度をさらに高くできることもわかった。
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Research Products
(1 results)