2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680530
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
泉 克幸 東洋大学, 工学部, 助教授 (70132842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 力 国立環境研究所, 大気圏環境部, 室長 (90011642)
内山 政弘 国立環境研究所, 大気圏環境部, 主任研究員 (20160294)
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Keywords | 霧 / 沈着フラックス / オカルト沈着 |
Research Abstract |
1.高吸水性ポリマー(SAP)の吸水特性試験と擬似樹木の作成。本研究ではSAPとして紙おむつの内容物を使用してきた。これはパウダー状のSAPと紙パルプの混合物であるため、高い圧力をかけて直径13mm、厚さ1mm程度のディスク状に成型して用いている。最近、メーカーからSAPを不織布に挟み込んだシート状のものを入手した。吸水性能や吸水特性などを調べたところ、両者の性能はほぼ同等であることが分かった。また、釜石鉱山でそれらを霧に暴露したところ、測定される水滴の沈着フラックスに差が無いことも分かった。シート状のSAPは成型しやすいため擬似樹木への適用が容易であり、扱いやすい利点があるので、今後ディスク状のものの代わりに使用していく予定である。現在、亜高山帯に多いウラジロモミの葉に似た構造の枝を試作中である。 2.霧の沈着フラックス測定。釜石鉱山での暴露実験において、プラスチック製のクリスマスツリーに擬似葉として正方形に切り抜いたシート状SAPを取り付け、霧の沈着フラックスを測定した。その結果、風上側のフラックスが風下に比べ大きいこと、高さが高くなるとフラックスが大きくなることが分かった。さらに、9月〜10月に群馬県赤城山で霧の沈着フラックス測定の野外実験を試みた。フラックス測定は釜石鉱山と同様に行い、同時に霧水捕集機で霧水を採取した。自然霧は常に濃淡を繰り返しながら、霧水を地面等に沈着させている。薄い時にはSAPシートから水の蒸発がゆっくり起こるため、負のフラックス値が得られた。来年度はそのようなSAPシートの欠点を補うため、短時間での暴露を行い、SAPシートの迅速な重量測定を行う予定である。霧水の分析の結果、pHが3.9〜4.7であり、アンモニウム、硝酸、硫酸の各イオンが主要なイオン成分であること、霧水に特徴的な組成(硝酸イオンが高濃度)であることが分かった。
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