2001 Fiscal Year Annual Research Report
同位体化学的研究による微生物由来のCOS・DMS生成メカニズムと環境動態の解析
Project/Area Number |
12680531
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
蟻川 芳子 日本女子大学, 理学部, 教授 (00060666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 幸子 日本女子大学, 理学部, 助手 (10247091)
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Keywords | 硫黄同位体比 / 動態解析 / 環境硫黄 / DMS / 大気中二酸化硫黄 / 浮遊粒子状物質 / 三宅島火山噴火 / δ^<34>S値 |
Research Abstract |
1.DMSの捕集と硫黄同位体比測定について 実験室的に発生させたDMSおよび大気中に存在するDMSの捕集法について、検討を行った。揮発性DMSをメタクロロ安息香酸との反応によりジメチルスルホンに変換し、安定化させたのち硫黄同位体比の測定に導く方法、Tenax-TAに低温で吸着させたのち加熱して脱着、エタノールに吸収後同位体比測定に導く方法などであるが、Tenax-TAに吸着後そのままスズ(II)-強リン酸との反応により硫化水素を発生させ、硫化銀としたのち硫黄同位体比測定を行う方法が迅速で、捕集から測定までロスが少ないことがわかり、今後この方法を採用することとした。 II.環境硫黄の動態解析 (1)樹木の葉の硫黄同位体比測定:大気・土壌中の硫黄を反映するものとして、植物中の硫黄が考えられる。植物は生長と共に同位体分別が起こっているので、同時期に採取した葉について同位体比測定を行い、その結果から生育環境の硫黄の発生源を識別し得るか考察を行った。11月末イチョウの落葉期に、本邦数10ヶ所から採取した葉について硫黄同位体比の測定を行ったところ、特異的な土壌との相関が認められるもの、海岸地域で海水硫酸塩の影響を受けているもの、工業地帯を反映するもの、肥料の影響を受けているもの等環境硫黄を反映することが検証され、δ^<34>S値は-4.3から12.4にわたっていた。 (2)大気中二酸化硫黄と浮遊粒子状物質の硫黄同位体比:1994年から左記試料について年2回測定を行い、δ^<34>S値の変動を調べてきたが、特に大気中二酸化硫黄のδ^<34>S値はこれまでになく高い値を示したことから、三宅島火山ガスの影響が考えられる。浮遊粒子状物質中の硫黄は、石炭燃焼に伴うフライアッシュが原因とみなしてきたが、ここでもδ^<34>S値が大きく、火山噴火の影響が認められる。 本年度は、COSおよびDMSを土壌や海洋上の大気から捕集することを計画していたが、IIの課題に変更した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Arikawa: "Fundamental Education in Analytical Chemistry"Analytical Sciences. 17. (2002)
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[Publications] Y.Imaizumi, T.Yamashiro, Y.Arikawa: "Capillary Electrophoresis of Thiols Derivatized with 5,5'-Dithiobis (2-nitrobenzoic acid)"Analytical Sciences. 17. (2002)
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[Publications] Y.Arikawa: "Development of Analytical Methods for XV and XVI Group Elements : Application to Geochemistry and Environmental Chemistry"Journal of Japan Women's University, faculty of Science. 10. 11-28 (2002)