2000 Fiscal Year Annual Research Report
ダニ抗原誘発性気管支喘息に対するディーゼル排気の影響とマウス系統差に関する研究
Project/Area Number |
12680550
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
市瀬 孝道 大分県立看護科学大学, 看護学部, 教授 (50124334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明 国立環境研究所, 大気影響評価研究室, 主任研究員 (20124349)
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Keywords | ディーゼル暴露 / ダニ抗原 / 喘息様病態 / 好酸球浸潤 / 粘液細胞 / サイトカイン / IgE抗体 / IgG1抗体 |
Research Abstract |
これまで、ディーゼル排気微粒子(DEP)と気管支喘息の高リスク因子であるダニ抗原を気管内投与した場合、ダニ抗原誘発性気管支喘息病態をDEPが増強する作用があることを見い出している。 本研究では、ダニ抗原を気管内投与して、実際にディーゼル排気ガスをマウスに吸入暴露した場合でも気管内投与と同じように喘息様病態が増強されるか否か、また、ダニ抗原に対して遺伝的に抗体発現の異なるマウスの系統(IgE抗体産生系とIgG1抗体産生系)では、ディーゼル暴露による病態発現に違いが生じるか否かについて検討する。 12年度は これまで使用してきた国立環境研究所のディーゼルエンジンを現在の排出基準に適合した新しいものに交換した。これによって暴露チャンバー内の微粒子成分やガス成分の濃度調整が必要となり、これまでその調整を行ってきたが、ほぼ安定した状態で暴露が可能となった。現在、BDF/1マウス、CBAマウス、BALB/cマウスの3系統を用いて3mg/m^3の濃度で暴露を進行中である。また、これらの3系統のマウスを用いたDEPとダニとの気管内投与実験の分析も平行して行っている。これまでの結果では、遺伝的にダニ抗原に対して高IgE抗体価を示すCBAマウスが肺の傷害が強いとはかぎらず、むしろIgE抗体価が低く、IgG1抗体価が高いBDF1マウスの方が肺の気道傷害が強い傾向を示している。
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