2001 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞を用いた化学物質の吸収,排泄機構解析系の確立と毒性評価への応用
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12680552
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
工藤 なをみ 城西大学, 薬学部, 助手 (10161647)
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Keywords | ペルフルオロオクタン酸 / 腎クリアランス / 有機酸トランスポーター / 性ホルモン |
Research Abstract |
ラットにおいて種々の性ホルモン状態におけるペルフルオロオクタン酸(PFOA)の腎クリアランスを検討した。雄ラットの腎クリアランスは約0.03mL/min/kgであったが、去勢によって0.45と著しく上昇した。これにテストステロンを投与すると0.01に低下した。一方、雄ラットにエストラジオールを投与すると、0.2に上昇した。この結果から、PFOAの尿中への輸送はテストステロンが抑制的に、エストラジオールが促進的に働くと考えられた。雌ラットの腎クリアランスは約0.7であり、雌ラットの子宮を切除すると1.8と大きく上昇した。これにエストラジオールを投与するとコントロールレベルに低下した。また、雌ラットにテストステロンを投与すると腎クリアランスは0.1に低下したづしたがって雌ラットではエストラジオールは抑制的に働くことが明らかとなった。PFOAの尿中への排泄はプロベネシドによって抑制されることから有機酸トランスポーターが関与すると考えられたので、種々の有機酸トランスポーターのmRNA発現を調べた。その結果、雄における調節はOAT2 mRNAの変動とよく一致した。また、oatp1のmRNAの変動とは逆相関を示した。一方、雌ラットにおけるエストラジオールによる調節はOAT3の変動とよく一致した。OAT1とoatp2のmRNA発現量はホルモン状態によって全く変化しなかった。また、OAT-K mRNAの変動も小さかった。現在、培養細胞にOAT2、oatp1およびOAT3を発現させてPFOAの輸送活性を検討している。また、炭素鎖長の異なるペルフルオロデカン酸(PFDA)に対する輸送活性もあわせて検討し、PFDAが尿中に排泄されにくい原因を解明することを試みている。
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Research Products
(1 results)