2002 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞を用いた化学物質の吸収、排泄機構解析系の確立と毒性評価への応用
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12680552
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
工藤 なをみ 城西大学, 薬学部, 助手 (10161647)
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Keywords | ペルフルオロオクタン酸 / 腎クリアランス / 有機酸トランスポーター / 性ホルモン |
Research Abstract |
前年度までの研究において、ラットにおけるペルフルオロオクタン酸(PFOA)の尿中への排泄には、有機酸トランスポーターのうちoatp1, OAT-K, OAT2およびOAT3が関与する可能性を見出した。本年度はまず、去勢、テストステロン、エストラジオール投与などにより、ホルモン状態を変えたラットの腎臓におけるOAT3蛋白の発現量を免疫組織染色により検討した。OAT3は腎臓の皮質および髄質外層の尿細管の基底膜側に発現していた。卵巣を切除した雌ラットは他の群に比べてOAT3の発現量が高かったが、発現部位は同じであった。Western Bolttingにより定量を行った結果、卵巣を切除した雌ラットでは3〜4倍高かった。OAT3は基底膜側に発現していることからPFOAの血液から尿細管上皮細胞への取り込みに関与する可能性が考えられた。つぎに、腎クリアランスを利尿および非利尿条件下で測定したところ、利尿条件下ではPFOAの腎クリアランスは著しく高まった。この結果から、PFOAは腎尿細管で再吸収を受けているものと考えられた。oatp1は腎尿細管の刷子縁膜に発現していること、また、性ホルモンによりmRNA発現が調節されていることから考えて、PFOAの再吸収に関与している可能性が考えられた。現在、アフリカツメガエル卵母細胞に種々の有機酸トランスポーターを発現させ、PFOAが輸送基質となるかを検討中である。また、in vivoにおいて、炭素鎖長の長いペルフルオロカルボン酸は尿中に排泄されにくいことが明らかとなっているが、この現象が、どのトランスポーターの基質認識によって生じてしるのかを、細胞発現系を用いて明らかにすることを試みている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kudo, N., Katakura, M., Sato, Y., Kawashima, Y.: "Sex hormone-regulated renal transport of perfluorooctanoic acid"Chem Biol Interact.. 139. 301-316 (2002)
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[Publications] Ohmori, K., Kudo, N., Katayama, K., Kawashima, Y.: "Comparison of the toxicokinetics between perfluorocarboxylic acids with different carbon chain length"Toxicology. 184. 47-51 (2003)
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[Publications] Katakura, M., Kudo, N., Okazaki, M., Hibino, Y., Kawashima, Y.: "Sex hormone regulation of rOAT3 expression in rat kidney"J. Health Sci.. (in press). (2003)