2000 Fiscal Year Annual Research Report
廃プラスチックとポリ塩化ビフェニルの酸化銅とアルカリ水溶液による分解・リサイクル
Project/Area Number |
12680561
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
秋山 文紀 東北大学, 反応化学研究所, 助教授 (00006321)
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Keywords | 廃プラスチック / ポリ塩化ビニル / ポリ塩化ビフェニル / 酸化第二銅 / ヒドロキシビフェニル / ベンゼン / トルエン / メタン |
Research Abstract |
1.廃プラスチックの分解・リサイクル 酸化第二銅と炭酸カリウム水溶液の混合物を用いて高分子を分解する試みを高分子としてポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレン(PE)を用いて500℃で反応を行った。それぞれの反応で脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素の混合物が得られたが、PETおよびPEの反応の場合炭化水素の合計収率はそれぞれ22.4%と19.3%で主生成物はむしろ二酸化炭素と水溶性物質であることがわかった。そこでPVCのような他の方法であまり良い結果が得られていない高分子の分解にこの反応を試みたところ、ベンゼンが12%の収率で得られ、他の熱分解方法よりベンゼンの収率が高いことがわかっつた。またPVCからのチャーおよびPVCと他の高分子の熱分解反応で得られたチャーを酸化第二銅と炭酸カリウムで分解したところ酸化第二銅はベンゼンを優先的に生成させる作用があることがわかった。 2.ポリ塩化ビフェニルの分解・リサイクル ポリ塩化ビフェニル(PCB)そのものの分解の研究を行う前にPCBのモデル化合物である4-クロロビフェニルの分解を行った。4-クロロビフェニルと炭酸カリウム水溶液との反応を500℃で24時間行うと4-ヒドロキシビフェニル、トルエン、ベンゼン、メタンをそれぞれ14.4、5.9、1.5、2.1%の収率で与え、4-クロロビフェニルを炭酸カリウム水溶液と酸化第二銅の混合物と同じ条件で反応させると同じ生成物をそれぞれ4.5,4.9、6.1、2.4%の収率で与えることがわかった。また4-クロロビフェニルは酸化第二銅を用いない反応でも二酸化炭素への分解も起こっていることがわかり, 4-クロロビフェニル→CO_2+4-ヒドロキシビフェニル+トルエン+ベンゼン+メタンの変化であることがわかっつた。現在550℃でより短い時間での反応を試みている。
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