2001 Fiscal Year Annual Research Report
生物時計によってコントロールされるマメ科植物就眠運動の分子機構
Project/Area Number |
12680598
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上田 実 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (60265931)
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Keywords | マメ科 / 就眠運動 / 蛍光プローブ / 除草剤 |
Research Abstract |
本年度は、蛍光プローブ化合物を用いた活性物質受容体に関する研究を行った。すでに我々は、活性物質を基にデザインした蛍光プローブ化合物が、植物の運動細胞に直接結合することを明らかにした。しかし、活性物質受容体の存在を証明するには、生物活性を示さない誘導体が運動細胞に結合しないことを示さなければならない。我々は、覚醒活性を示さない非活性型化合物を元に、「非活性型蛍光プローブ」を数種類合成し、非活性型蛍光プローブは、植物組織には全く結合しないことを明らかにした。この結果は、運動細胞に存在する覚醒物質の受容体は、覚醒物質の構造を精密に認識していることを示している。また、覚物質型蛍光プローブは植物種特異的な結合活性を示し、各植物は各々の活性物質に対応する特異的受容を持つことが示唆された。さらに我々は、就眠活性物質の構造を基にデザインした就眠物質型蛍光プローブ化合物の合成にも成功し、現在その生物活性及び結合活性について検討を行っている。 また、就眠運動を利用した環境調和型除草剤の開発を目指して研究を行い、ダイズ畑に生育するマメ科難除雑草アメリカツノクサネムの覚醒活性物質および、沖縄・小笠原地方で問題となっているマメ科の外植物ギンネムの就眠物質を同定した。アメリカツノクサネムについては、活性物質の構造に基づき、就眠運動の阻害による環境調和型除草剤の開発を検討中である。さらに、アメリカツノクサネムの就眠物質、ギンネムの覚醒物質についても分離を検討している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Sohtome, T.Tokunaga, K.Ueda, S.Yamamura, M.Ueda: "Leaf-closing substance of Leucaena leucocephala"Biosci, Biotechnol, Btochem. 66-1. 51-56 (2002)
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[Publications] T.Sugimoto, Y.Wada, S.Yamamura, M.Ueda: "Fluorescence study on the nyctinasty of Cassca mimosoides"Tetranedron. 57. 9817-9825 (2001)
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[Publications] M.Ueda, Y.Wada, S.Yamamura: "Direct observation of the target cell for lear-movement factor"Tetrahedron Lett.. 42. 3869-3872 (2001)
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[Publications] M.Ueda, Y.Sohtome, K.Ueda, S.Yamamura: "Potassium 2,3,4-trihydroxy-2-methylbutandate"Tetrahedron Lett.. 42. 3109-3111 (2001)