2000 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄産軟体サンゴの新規生理活性プロスタノイドの探索研究
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12680601
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
井口 和男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (50057345)
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Keywords | 海洋天然物 / 軟体サンゴ / プロスタノイド / ハロゲン化プロスタノイド / クラブサイクリン / CDスペクトル / 構造決定 |
Research Abstract |
申請した平成12年度研究実施計画に沿い、沖縄県石垣島近海のサンゴ礁において採集した軟体サンゴClavularia viridisのプロスタノドについて研究を行った。まず軟体サンゴの抽出物に含まれるプロスタノイド成分をHPLCなどの各種クロマトグラフィーを用いて分離精製し、既知のプロスタノイドであるクラブロン類に加えて10種の新規プロスタノイドを微量成分として単離することができた。このうち7種について検討を加えたところ、いずれも塩素、臭素あるいはヨウ素が結合した特異な含ハロゲンプロスタノイドであることがわかった。これらの化合物の平面構造はNMRスペクトルを中心とする機器分析から明らかにすることができ、絶対配置を含めた立体構造はCDスペクトルの解析によって解明した。残る新規プロスタノイドについては、本年度には構造解明に至らなかったので、次年度に研究を継続する予定である。きわめて特異な構造を有するプロスタノイド関連化合物であるクラブサイクリンIの全合成については、本年度シクロペンテノン環にオメガ鎖を結合させることに成功し現在アルファ鎖の導入を検討している。次年度ではオメガ鎖とアルファ鎖にそれぞれ存在する二重結合に光化学反応を行い、クラブサイクリンIの基本骨格を形成した後、官能基の変換を行い全合成を達成する予定である。今年度単離した新規な含ハロゲンプロスタノイドについて、腫瘍細胞および正常細胞に対する細胞増殖抑制効果を協力関係にある研究グループに依頼し検定中である。
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