2000 Fiscal Year Annual Research Report
液相クロマトグラフィー質量分析法による微量糖脂質糖鎖分析法の開発研究
Project/Area Number |
12680605
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
笠間 健嗣 東京医科歯科大学, 機器分析センター, 助教授 (80124668)
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Keywords | エレクトロスプレー / 質量分析 / LC / MS / 液体クロマトグラフィー / 糖脂質 / ガングリオシド |
Research Abstract |
糖脂質の質量スペクトルは、高速原子衝撃質量分析法(FABMS)あるいは二次イオン質量分析法(SIMS)によって糖脂質の構造解析法としての有用性が確固たるものとなっている。しかしながら、これらの方法により分析する際には分析対象の糖脂質を単離精製しなければならない点が欠点であり、構造研究の大きな負担となっている。特に生理活性を持つ非常に微量な糖脂質を分析しようとすると、単離精製操作における糖脂質の損失が大きくなることから、単離精製することなく糖脂質の質量分析が行える方法の開発が待たれている。本研究では液体クロマトグラフィーを直結した質量分析計を用いて、この問題の解決を試みる。エレクトロスプレーイオン化法の負イオンモードは脱プロトン化分子だけが現れるので高感度分析に適していることがわかった。クロロホルムは糖脂質の順相系クロマトグラフィー溶媒としてよく用いられるが、含塩素系溶媒はグロー放電を引き起こす液滴中の電子を除去するので負イオンエレクトロスプレーが安定する。操作性と分析感度のバランスを考慮するとマイクロエレクトロスプレーが適しているようである。糖脂質は脂質の脂肪酸組成の違いによる複数の分子種からなるが、糖鎖構造が同じならば同一の糖脂質として扱われる。そのため、液体クロマトグラフィーで個々の分子種に分かれてしまうと解析が困難になるので、脂質の組成の影響が少なく糖鎖の構造を反映するクロマトグラフィーカラムを検索する作業を続けている。いくつかの候補が挙がっているが、さらに分析条件等の最適化を行う必要がある。
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