2001 Fiscal Year Annual Research Report
非ヒストン蛋白質HMGによるヌクレオソーム上での転写制御機構の構造生物学
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12680608
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
楯 真一 北陸先端科学技術大学院大学, 新素材センター, 助教授 (20216998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島原 秀登 北陸先端科学技術大学院大学, 新素材センター, 助手 (40313704)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / HMG-14 / 17 / CD / 遺伝子発現制御 |
Research Abstract |
1.ヌクレオソーム再構成の確立: 12年度は、ヒト由来のヒストン蛋白質(H2A, H2B, H3, H4)の4種類全てを大腸菌による発現系の構築と、各ヒストン蛋白質の大量精製法の確立を行った。13年度は、ヒストンオクタマーに対する高親和性配列(TATAAACGCC-repeat)を持つDNAを30ml規模のPCRにて大量調製することで、DNA上でのヒストンオクタマーの位置も一系に確定した均一な再構成ヌクレオソームを数百ugレベルで調製することを可能とした。 2.クロマチン構造変換因子HMG-14およぴHMG-17とのヌクレオソームとの相互作用解析: 上記で確立した方法により調製したヌクレオソームを用いて、CDを用いたHMG-14あるいはHMG-17との相互作用によるヌクレオソーム構造変化の観測を行った。DNA構造のマーカーバンドとなる280nmのCDスペクトル変化からHMG-14あるいはHMG-17の結合により、280nmのCDスペクトル強度の系統的な現象が観測された。pull down assayにより、同じ条件でのHMG蛋白質のヌクレオソームへの結合を確認してあるので、.このCDスペクトル変化が、HMG蛋白質により誘導されたものであるといえる。このスペクトル変化より、HMG-14、HMG-17結合のいずれの場合もヌクレオソーム上のDNA構造に対して摂動を与え、その構造変化のパターンは、B型2重らせんDNA構造が巻き戻された形に相当するC型DNA構造の誘導を示すもので、従ってHMG蛋白質の結合により、負の超らせん性を持ったDNAがさらに誘導されたことを示すと解釈できる。このことは、HMG-14あるいはHMG-17がヌクレオソームに結合することで、さらにさらに多くのDNAをヒストン蛋白質に巻き取らせるように作用するものと考えることができる。このことから、HMG-14およびHMG-17は、ヌクレオソームDNAの2回対称軸上に結合してヌクレオソームのDNA上での位置の固定化に関与すると同時に、リンカーヒストンの結合を阻害するものと考えることができる。このことがクロマチン構造のde-compactionにつながると考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yoshida, T., Uchiyama, H., Shimahara, H., Kobayashi, Y.: "Solution Structure of the Ribosome Recycling Factor from Aquifex aeolicus"Biochemistry. 40. 2387-2396 (2001)