2000 Fiscal Year Annual Research Report
in vitro再構成系を用いた膜脂質選別輸送の解析
Project/Area Number |
12680621
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
花田 賢太郎 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30192701)
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Keywords | セラミド / スフィンゴミエリン / スフィンゴ脂質 / 膜脂質 / 膜輸送 |
Research Abstract |
セラミド(Cer)は小胞体で合成された後、ゴルジ体へ輸送され、スフィンゴミエリン(SM)やグルコシルセラミドに変換される。我々は、チャイニーズハムスター卵巣由来CHO細胞を親株として、SM生産に欠損のある変異株(LY-A株)を得、この変異株の示すSM量低下が、小胞体-ゴルジ体間のATP依存性Cer輸送の欠損によることを見いだしている。今回、Cer輸送の詳細を明らかにする目的で、無傷細胞で観察されるATP依存性Cer輸送の性質を反映するin vitro再構成系の樹立を試みた。種々の条件を検討した結果、低張・剥離処理により調製した膜開孔細胞(semi-intact細胞)を低温で放射性スフィンゴシン標識して放射性Cerを蓄積させ、その後、37℃での放射性Cerから放射性SMへの変換を小胞体-ゴルジ体間輸送の指標とした場合にin vitro再構成系が構築できた。このin vitro再構成系において、CHO細胞野生株由来のsemi-intact細胞と細胞質画分を用いると、Cer→SM変換がみられ、ATP依存性を示した。LY-A株由来のsemi-intact細胞と細胞質画分の場合は野生型に比べCer→SM変換活性が低く、ATP依存性はみられなかった。以上は、無傷細胞における観察結果と一致する。さらに、細胞質を相互に交換すると、LY-A semi-intact細胞ではATP依存性のCer→SM変換活性が野生型まで回復し、野生型semi-intact細胞ではLY-A株のレベルまで低下した。semi-intact細胞におけるSM合成酵素活性自体はATP、細胞質依存性を示さなかった。これらの結果から、小胞体-ゴルジ体間Cer輸送には細胞質因子が必要であること、LY-A細胞のCer→SM変換活性低下は細胞質因子の欠損によることが明かとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kentaro Hanada: "D-Serine inhibits serine palmititoyltrans ferase, the enzyme catalyzing the first step of sphingolipid piosynthesis."FEBS Letters. 474巻. 63-65 (2000)
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[Publications] Tomoko Funakashi: "Reconstitution of ATP-and Cytosol-dependent transport of de novo synthesized ceramide to the site of sphingomyelin synthesis in semi-intact cells"The Journal of Biologicol Chemistry. 275巻. 29938-29945 (2000)