2002 Fiscal Year Annual Research Report
in vitro再構成系を用いた膜脂質選別輸送の解析
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12680621
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
花田 賢太郎 国立感染症研究所, 細胞化学部, 室長 (30192701)
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Keywords | セラミド / スフィンゴミエリン / スフィンゴ脂質 / セリンパルミトイル転移酵素 / 知覚神経障害 / 阻害剤 |
Research Abstract |
主要膜リン脂質の一種であるスフィンゴミエリン(SM)の生合成では、小胞体の細胞質表面で合成されたセラミドが、ゴルジ体の内側に移行してSMへと変換し、さらに細胞膜へと輸送される。セラミドの小胞体-ゴルジ体間輸送過程を阻害する新規化合物N-(3-Hydroxy-1-hydroxymethyl-3-phenylpropyl)dodecanamide(HPA-12)を昨年度までに見いだしており、本年度はHPA-12の様々な誘導体の活性を比較検討して、その構造活性相関を明らかにした(投稿中)。 スフィンゴ脂質生合成の初発反応は、セリンパルミトイル転移酵素(SPT)によって触媒される。我々は、SPT活性の欠損した動物培養細胞変異株を分離・解析し,この酵素はLCB1,LCB2と名付けられた二つのサブユニットから成る複合体膜酵素であることを明らかにしてきた。最近、下肢の知覚神経が緩慢に退縮する常染色体優性遺伝病である遺伝性知覚神経障害I型(HSN1)はSPTLC1/LCB1遺伝子に特異的なミスセンス点突然変異を伴っていることが国外の複数の研究グループによって示された。本年度は、(1)LCB2の安定維持にはLCB1との会合が必要であること、(2)HSN1型変異LCB1はLCB2と不活性型の複合体を形成することでSPT活性を抑制することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Khemissa Bejaoui: "Hereditary sensory neuropathy type I mutations confer dominant negative effects on serine palmitoyltransferase, critical for sphingolipid synthesis"The Journal of Clinical Investigation. 110・9. 1301-1308 (2002)
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[Publications] Satoshi Yasuda: "Localization, topology, and function of the LCB1 subunit of serine palmitoyltransferase in mammalian cells"The Journal of Biological Chemistry. 278・6. 4176-4183 (2003)