2001 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳制御の鍵となるS6キナーゼの細胞増殖,発癌,ならびに免疫制御における関与
Project/Area Number |
12680623
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島 礼 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (10196462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 延公 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助手 (40333645)
菊池 九二三 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (20006117)
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Keywords | S6キナーゼ / ホスファターゼ / PP1 / 欠損マウス / トウトマイシン / 細胞増殖 / 癌化 / 翻訳 |
Research Abstract |
1. 1型プロテインホスファターゼ(PP1)による翻訳の制御 タンパクの翻訳の活性化は、S6キナーゼによるS6タンパクのリン酸化によってONになり、PP1によるS6タンパクの脱リン酸化によりOFFになると考えられている。我々はPP1の転写の制御の解析を行いPP1の発現がcAMP依存的に調節されていることを明らかにした。また、PP1による翻訳調節機構を明らかにするために、PP1の特異的阻害剤(トートマイセチン)を開発した。 2. 新規S6キナーゼ(S6キナーゼ2)欠損マウスの解析 昨年作製したマウスの解析を行なった。野生型マウスや、S6キナーゼ1欠損マウスに較べてS6タンパクのリン酸化が減少していることから、in vivoにおいてS6タンパクをリン酸化するのは、主にS6キナーゼ2であることが示唆された。しかし、完全にリン酸化が消失するわけではないので、おそらく両者のS6キナーゼが協調してS6タンパクのリン酸化に働くのであろう。この証明の為には両者をダブルに欠損させたマウスの作製の重要性が示唆され、現在その作製を急いでいる(未発表)。 3. S6キナーゼを制御する2A型ホスファターゼ(PP2A)の活性制御機構 PP2Aの阻害タンパクであるI-2PP2Aを誘導発現する細胞を樹立し、I-2PP2Aの細胞増殖への影響を調べたところ、著しい増殖障害が認められた(未発表)。 4. 細胞増殖・発癌に関わるMAPキナーゼとJAK-STAT経路の制御 それぞれの経路に関わる新しい制御因子(MAPキナーゼにはMKP-7、JAK-STATにはPTPイプシロン)を発見し、それらによる制御機構を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Bettina Linck: "Functional properties of the rat phosphatase 1α promoter"Molecular and Cellular Biochemistry. 223(1-2). 123-129 (2001)
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[Publications] Shinya Mitsuhashi: "Tautomycetin is a novel and specific inhibitor of serine/threonine protein phosphatase type 1, PP1"Biochemical and Biophysical Research Communications. 287(2). 328-331 (2001)
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[Publications] Kouhei Masuda: "MKP-7, a novel mitogen-activated protein kinase phosphatase, functions as a shuttle protein"Journal of Biological Chemistry. 276(42). 39002-39011 (2001)
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[Publications] Nobuhiro Tanuma: "Protein tyrosine phosphatase εC selectively inhibits interleukin-6- and interleukin- 10-induced JAK-STAT signaling"Blood. 98(10). 3030-3034 (2001)