2000 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム/カルモデュリン依存性リン酸化酵素カスケードを介した遺伝子発現調節
Project/Area Number |
12680637
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
徳光 浩 香川医科大学, 医学部, 助教授 (20237077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 芳滋 ヘリックス研究所, 第3研究部門, 研究員
小林 良二 香川医科大学, 医学部, 教授 (00020917)
村尾 孝児 香川医科大学, 医学部・付属病院, 助手 (20291982)
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Keywords | 細胞内カルシウム / カルモデュリン / CaM-KK / 細胞内情報伝達 / リン酸化酵素カスケード / CREB / 線虫 / CaM-キナーゼ |
Research Abstract |
1)カルシウム/カルモデュリン(Ca^<2+>/CaM)依存性リン酸化酵素カスケードを構成するCaM-KKはそのCa^<2+>/CaM結合領域とCa^<2+>/CaM複合体との結合がミオシン軽鎖キナーゼやCaM-キナーゼIIのそれらとは異なり結合領域の構造の違いのみならず、Ca^<2+>/CaMに対する結合方向性が正反対である。CaM-KK変異体を用いた解析によりCaM-KKの自己抑制機構にIle441が必須であることが明らかとなった。更に、CaM-KKのIle441よりC末端領域をミオシン軽鎖キナーゼやCaM-キナーゼIIのCa^<2+>/CaM結合領域と入れ替えたキメラCaM-KK変異体を作成したところ、これらはCaM-KKと全く同様にCa^<2+>/CaM-依存的なリン酸化酵素活性を発現した。このことはCaM-KKのCa^<2+>/CaMによる自己抑制機構解除にはその結合方向性は直接関与していないものの、自己抑制機構に必須のIle441がCaMのN末端領域が結合するTrp444の3アミノ酸上流に存在するため、他のCaM-キナーゼとは異なるCa^<2+>/CaM結合様式を形成していることが示唆された。 2)本研究目的の一つである、線虫C.elegansより転写因子CREB(cAMP-response element binding protein)の遺伝子クローニングに成功した。線虫には少なくとも3種類のCREBが存在することが明らかとなった。これら線虫CREB遺伝子を用いて作成したリコンビナントタンパク質は線虫のCa^<2+>/CaM依存性リン酸化酵素カスケードによりその転写調節領域に存在するSer残基がリン酸化される。さらに本カスケード分子の遺伝子導入およびCREB遺伝子の破壊実験より線虫C.elegans個体において、この新しい情報伝達系とCREB依存性の遺伝子発現調節との関連が明らかとなった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 徳光浩,村松正明,伊倉光彦,小林良二: "Regulatory Mechanism of Ca^<2+>/Calmodulin-dependent Protein Kinase Kinase"The Journal of Biological Chemistry. 275・26. 20090-20095 (2000)