2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNAメチル化がヌクレオソーム局在に与える影響の解析
Project/Area Number |
12680668
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小村 潤一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10215410)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / 電離放射線 |
Research Abstract |
平成12年度には、生きている高等真核細胞の各遺伝子上において、DNAのどの領域をヌクレオソームが占めているか(並進上の位置)を詳細に決定する方法を開発したが、13年度には、これに引き続いて以下のような研究を行った。 1.細胞内の各ヌクレオソームの表面で、DNA2重螺旋のどの部位がヒストンに面しており、どの部位が溶液側に露出しているか(回転上の位相)を決定する方法を開発した。細胞を放射線照射すると、DNAの螺旋が溶液側に露出している部位では切断されるが、ヒストンに面している部位では防護される。ここで開発した方法では、特定遺伝子上のDNA切断の正確な位置と量を、ligation-mediated PCRを用いて、最終的にシークエンスゲル上に強弱のバンドとして表示する。もし、特定のDNA配列のヌクレオソーム表面における回転上の位相が細胞集団内で同調している場合、螺旋の周期に対応した約10塩基ごとの切断パターンがあらわれる。 2.二つの新方法を用いて、DNAやヒストンの化学修飾の変化が、DNAとヌクレオソームの位置関係に与える影響の解析を試みた。ヒト細胞を血清などで刺激すると、c-FOS遺伝子の急速な誘導がみられるが、これにはヒストンのアセチル化などの急速な変化が伴っている。このとき、c-FOSプロモーター内に局在するヌクレオソームに関して、位置関係の変化が生じているかを検討したが、全く変化が認められなかった。このヌクレオソームは、誘導時に急速な化学修飾を受けるにもかかわらず、一切の位置変化を起こさないようである。
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Research Products
(1 results)