2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680673
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平芳 一法 京都大学, 再生医科学研究所, 講師 (80199108)
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Keywords | RNA aptamer / Paused polymerase / 基本転写因子 / TBP / TAF60 / ショウジョウバエ |
Research Abstract |
初期転写複合体の成立機構をin vivoで解析するため、Paused polymeraseをモデルに、RNA aptamerを用いた新しい方法を導入し、解析を進めている。RNA aptamerはSELEX(Systematic Evolution of Ligands by EXponential enrichment)によって選択された機能RNA分子であり、i)抗体のように、ある蛋白質特異的に作用し、ii)低分子物質のように細胞中で迅速に標的とする特異的蛋白質に結合でき、かつ、iii)全器官中でその効果を期待できる、応用性の高い分子である。本年度は、初期転写複合体の成立に関与する基本転写因子の中で、paused polymeraseの成立に最も関与すると考えられるTBP(TATA binding protein)の機能を阻害するaptamerの選択を行った。Aptamerの選択は、従来、標的とするタンパク質を結合したフィルターと樹脂を利用し、それぞれに結合したaptamerを分離する。分離したaptamerはゲルシフト解析法等でその結合特異性を決定していた。これらの方法の場合、非特異的な吸着によるバックグラウンドの高さ、過程の煩雑さが迅速なaptamer分子の分離を阻害してきた。我々は表面プラズモン共鳴を利用することにより、TBPに対して種々の結合定数を持つaptamer分子を迅速に選別する事に成功した。現在、paused polymeraseの成立に関与すると思われるもう一つの因子TAF60(TBP associated factor 60)についても、アプタマーの選択を行っている。また、TBPに対するaptamerをショウジョウバエの細胞中に導入し、paused polymeraseの成立に与える影響をrun-on assayによって解析中である。
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