2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復と蛋白質分解系をつなぐRAD23ホモローグの機能に関する研究
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12680680
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
菅澤 薫 理化学研究所, 細胞生理学研究室, 先任研究員 (70202124)
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Keywords | ヌクレオチド除去修復 / 色素性乾皮症 / XPC蛋白質 / ユビキチン化 / RAD23ホモローグ / 蛋白質分解 |
Research Abstract |
細胞にDNA損傷を与えた際に見られるXPC蛋白質の翻訳後修飾を詳細に解析する目的で、まず内在性のXPC蛋白質を発現しないXP-C群患者由来の細胞(XP4PASV)を親株として、N末端にFLAGタグを融合したXPC蛋白質(FLAG-XPC)を安定に発現する細胞株を樹立した。この細胞株に紫外線を照射した後、全細胞抽出液を作成して抗FLAG抗体で免疫沈降を行ない、さらに抗XPC抗体を用いたイムノブロッティングによって検出した。その結果、紫外線照射に伴って高分子量領域に出現するXPC蛋白質のバンドは、免疫沈降後に脱ユビキチン化酵素であるisopeptidaseTで処理すると消失することがわかった。すなわち、細胞に紫外線を照射するとXPC蛋白質がユビキチン化を含む特異的な翻訳後修飾を受けることが示された。さらに、XP4PASV細胞でFLAG-XPCとHAタグを融合したユビキチンを同時に一過性強制発現し、抗FLAG抗体による免疫沈降と抗HA抗体によるイムノブロッティングを行なうことによってもユビキチン化されたXPC蛋白質を検出することができた。現在、このユビキチン化部位のアミノ酸レベルでの同定を試みている。また、遺伝子ターゲティングによりHR23AとHR23Bを同時に欠損したマウス胎仔線維芽細胞を用いて、種々のHR23B蛋白質の変異体を安定に発現する細胞を樹立した。これらの細胞における内在性XPC蛋白質の量をイムノブロッティングで調べたところ、HR23BのN末端に存在するユビキチン相同配列はXPC蛋白質の安定化には必要でないことがわかった。現在、これらの細胞におけるXPC蛋白質のヌクレオチド除去修復機能や修飾、および蛋白質分解系との関連について検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sugasawa,K.et al.: "A multistep damage recognition mechanism for global genomic nucleotide excision repair"Genes & Development. 15(in press). (2001)
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[Publications] Kusumoto,R.et al.: "Diversity of the damage recognition step in the global genomic nucleotide excision repair in vitro"Mutation Research. (in press). (2001)
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[Publications] Winkler,G.S.et al.: "Novel functional interactions between nucleotide excision DNA repair proteins influencing the exzymatic activities of TFIIH, XPG, and ERCCl-XPF "Biochemistry. 40. 160-165 (2001)
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[Publications] Yamane,K.et al.: "Retinoblastoma susceptibility protein, Rb, possesses multiple BRCT-Ws, BRCAl carboxyl-terminus-related W regions with DNA break-binding activity"Oncogene. 19. 1982-1991 (2000)