2001 Fiscal Year Annual Research Report
部位特異的なDNAメチル化によるヒトCDH1遺伝子発現制御機構の解析
Project/Area Number |
12680681
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
白石 昌彦 国立がんセンター, 研究所・DNAメチル化とゲノム機能プロジェクト, プロジェクトリーダー (10178931)
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Keywords | CpGアイランド / DNAメチル化 / CDH1遺伝子 / ヒストンアセチル化 / クロマチン免疫沈降法 |
Research Abstract |
これまでの研究でヒト培養がん細胞におけるCDH1遺伝子の不活性化にはCpGアイランドのメチル化が関与すること、またその実態は細胞ごとに異なることを明らかにした。本年度はDNAメチル化と密接に関連したヒストンアセチル化の実態について解析した。 一般にヒストンアセチル化は遺伝子発現促進に、脱アセチル化は発現抑制に関与することが知られているが、アセチル化ヒストンに対する抗体を用いたクロマチン免疫沈降法により、CDH1遺伝子が発現しているSW1116細胞ではCDH1遺伝子のCpGアイランドがヒストンH3、H4とも高度にアセチル化された状態にあることが明らかとなった。発現が抑制されているT24、HSC41細胞ではヒストンH3、H4とも低アセチル化状態にあった。しかし同じく発現が抑制されているLi21細胞ではヒストンH3は低アセチル化状態にあったが、ヒストンH4は高度にアセチル化されていた。これらの結果は、不活性化遺伝子のCpGアイランドはDNAメチル化のみならずヒストンアセチル化にも多様性が存在し、異なる転写抑制複合体が関与していることを示唆している。またDNA脱メチル化剤処理により遺伝子発現は回復したが、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤処理では遺伝子発現は回復せず、また細胞によりヒストンアセチル化の程度が大きく異なった。これらの結果はCDH1遺伝子の発現抑制はDNAメチル化が主たる役割を果たしていること、また細胞によりヒストン脱アセチル化酵素阻害剤に対する感受性に差があることを示唆している。
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Research Products
(1 results)