2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しく発見されたマウス劣性白内障の原因遺伝子のクローニング
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12680682
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Science |
Principal Investigator |
前田 幸子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40109947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米川 博道 財団法人東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員〔副所長〕 (30142110)
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Keywords | マウス先天性白内障 / マウス遺伝子のマッピング / 修飾遺伝子 / マウスBAC contig / 病態モデルマウス |
Research Abstract |
先天性、老人性を含めてヒト白内障はその症例数も多く、眼科における重要な疾病の一つとなっている。けれども、その成因メカニズムについてはまだ十分に解明されていない。RCT(Rinshoken Cataract)マウスはSJL/J近交系マウス由来の自然発症の突然変異で、先天性白内障を発症する。我々はRCTマウスがヒト先天性白内障のモデル動物になると考え、遺伝解析を開始した。昨年度までの遺伝解析の結果、第4染色体上の劣性の原因遺伝子(rct)と第5染色体上の劣性の修飾遺伝子(mrct : modifier of rct)が同定され、RCTマウスは2つ遺伝子の相互反応によって発症が規定される新しいタイプの白内障モデルマウスであることが明らかになった。今年度はこれらの原因遺伝子の単離がヒト白内障の成因メカニズムの解明に貴重な情報を提供できると考え、原因遺伝子のクローニングを進めた。rct遺伝子は表現型と遺伝型が完全に一致するD4Mit278マイクロサテライトマーカーをはさんでD4Mit74とD4Mit122の間の約1.5cMの領域に存在する。この領域をさらに狭めるために、日本産野生マウス由来の近交系のMSM/MsやJF1マウスを用いて亜種間交雑系を新たに作成し、PCR-SSLP法、PCR-SSCP法を用いて連鎖解析を行なった。またこれと平行してBACを用いた解析を開始した。その結果、rct遺伝子が存在する領域は約600kbp長までせばまり、その間のBAC contigをほぼ構築した。この領域には6個のESTが存在しており、これらがrctの候補遺伝子である可能性は非常に高い。現在、候補遺伝子の解析を行なうとともに、BAC transgenesisによるレスキュー実験を開始した。mrct遺伝子についてはその存在可能領域はまだ約21cMの長さがあるので、この領域を縮小するために連鎖解析を進めている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Yukiko Y.Maeda, Nobuaki Funata, Sumiyo Takahama, Yasuo Sugata, Hiromichi Yonekawa: "Two interactive genes responsible for a new inherited cataract (RCT) in the mouse"Mammalian Genome. 12. 278-283 (2001)