2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトグロビン遺伝子複製転写単位におけるDNA複製調節蛋白の時間空間的制御の解析
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12680683
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
藤田 雅俊 愛知県がんセンター, 腫瘍ウイルス学部, 主任研究員 (30270713)
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Keywords | ヒト細胞 / グロビン遺伝子 / 複製開始点 / クロマチン免疫沈降法 / ORCタンパク / CDC6タンパク / MCMタンパク |
Research Abstract |
クロマチン免疫沈降法では、対象蛋白とクロマチンとの結合をホルマリンで安定化した後、免疫沈降を行い、共沈DNAの定量を行い、結合状態を推定する。ヒトグロビン遺伝子座ではベータグロビン遺伝子の直上に複製開始が高頻度で起こる領域があり、これを仮想上の複製開始点とする。この前後10kbに四ケ所、ここから上流に20kb離れたところ、60kbはなれたLCR、および下流に20kb離れた所の計7箇所の領域を同定できるプライマーを設定した。次に、real-time PCR装置を用いて、これらの領域を定量的にPCRで調べられる条件を確立した。非同調HeLa細胞を用い今までの所得られた、preliminaryな結果は以下のようである。MCM3とMCM7はクロマチン上で複合体を形成しているので、抗MCM3と抗MCM7によるクロマチン免疫沈降法の結果が一致すると、その結果は特異性が高いと言える。これまでの結果から、MCMは調べたすべての領域に結合している可能性が示された。しかし、複製開始点により高頻度で結合している可能性も示された。ORC2は複製開始点より5kbほど上流にピークが認められた。しかし、他の抗体も用いて確認されなければならない。CDC6は今の所明確な結果が得られていない。条件の変更、別の抗体の使用等を考えている。最も重要であると考えているORC1蛋白に関しては、我々の抗体が免疫沈降法に適さず、まだ進捗していない。これに関してはtag付きORC1を安定発現している細胞の樹立に成功した。これを用いることで今後の解析が進むと期待している。いずれにせよ、条件等今少し基礎検討が必要であるので、残りの年度で行いたい。また、その次ぎには、当然細胞周期調節を調べなくてはならず、これも来年度の課題である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Arata,Y.: "Cdk2-dependent and-independent pathways in E2F-mediated S phase induction."J.Biol.Chem.. 275. 6337-6345 (2000)
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[Publications] Fujii,K.: "The Epstein-Barr virus pol catalytic subunit physically interacts with the BBLF4/BSLF1/BBLF2/3 complex."J.Virol,. 74. 2550-2557 (2000)
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[Publications] Yokoyama,N.: "Co-expression of human chaperone Hsp70 and Hsdj or Hsp40 co-factor increases solubility of overexpressed target proteins."Biochim.Biophys.Acta.. 1493. 119-124 (2000)