2001 Fiscal Year Annual Research Report
真核細胞の二重鎖DNAひねり因子の構造と機能に関する研究
Project/Area Number |
12680686
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室伏 擴 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70101128)
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Keywords | Xenopus卵 / HeLa細胞 / DNA複製 / SSRP1 / Cde68p / Spt16p / FACT / クロマチン / HMGタンパク質 |
Research Abstract |
筆者らは、Xenopus卵抽出液からDNA複製開始に必要なDNAひねり因子(DUF)を精製した。DUFは、分子量40kDa(Cdc68p/Spy16の類似体)と87kDa(hSSRP1の類自体)のサブユニットから成り、二重鎖DNAに結合して二重鎖に負のねじれを導入する活性を持つ。本研究では、ヌクレオソームの構造に対するDUFの作用をしらべる。また、Xenopus卵のDNA複製開始におけるDUFの作用機序を明らかにし、クロマチン構造をとったDNAの複製に対するDUFの作用を調べることによって、真核細胞のDNA複製開始に必要なクロマチンの構造変化の機構を解明することを目的とした。前年度までの研究により、Xenopus DUFはDNAおよびヒストンに結合してクロマチン構造をゆるめる働きがあることがわかっている。 ヒトDUFの140kDaサブユニットと、87kDaサブユニットのdDNAクローンをバキュロウィルスに組み込んで共発現させ、両サブユニットの安定な複合体としてヒトDUFを精製した。精製したヒトDUFは、ヒストンを固定化したカラムに強く結合した。この点はXenopus卵から精製したDUFと同様であった。また、ヒトDUFを固定化したカラムに、ニワトリ赤血球から調製したヌクレオソームをチャージしたところ、ヌクレオソームの一部がDUFカラムに結合した。DUFと相互作用する因子を見つける目的で、HeLa細胞の抽出液をDUFカラムにかけたところ、コアヒストンが結合した。それ以外に22kDa, 27kDa, 40kDa, 65kDa, 97kDa、 110kDaのタンパク質がカラムに結合した。今後はそれらの同定を行う。また、two-hybrid法を用いて、ヒトDUF140kDaサブユニットと相互作用する31のクローンを得た。現在、それらの塩基配列を決定しつつある。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Miuno, K.: "Counteracting regulation of chromatin remodeling at fission yeast cAMP responsive element-related recombination hotspot by stress-activated protein kinase, cAMP-"Genetics dependent kinase and miosis regulators. 159/4. 1467-1478 (2001)