2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680687
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
浜口 幸久 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (70016161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 節子 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教務職員 (30242267)
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Keywords | ウニ卵 / 核運動 / 重合 / 受精 / 星状体 / 中心体 / 微小管 / UV照射 |
Research Abstract |
コルセミド-UV法を用いて、中心体の微小管重合能を細胞内で解析した。コルセミド-UV法では、微小管はコルセミドにより重合を阻害され、UV(紫外線)照射によりコルセミドがルミコルセミドとなると阻害が解除され、微小管の重合がおこる。まず、ウニ受精卵での精子星状体の形成や、核運動について、媒精後からUV照射の時間を変えて細胞周期で違いがあるか調べた。媒精後20分あたりまでは形成、運動ともに大きな違いはみられないが、20分前後から星状体中心の分割がみられた。30分前後から核膜の崩壊、クロマチンの凝縮が始まり核運動が観察されない。その後、星糸の伸長しない時期を経て、再び伸長をはじめるサイクルがみられた。ついで、細胞内pH(pHi)との関係について調べた。受精後のpHiの上昇を経たのちにpHiを変えるために、外液を正常海水から酢酸アンモニウムを含む海水にしてUV照射をする。pHiを6.0-7.7の範囲で変えてUV照射をした。6.2以下では星状体が形成されないが、6.3以上では星状体が形成され、卵前核に星糸が届けば星状体中心への運動がみられた。pHの増加にしたがって星糸の伸長速度はおおきくなったが、7.0-7.7では大きな差はなかった。卵前核の運動速度も星糸の伸長速度とpHによって同様な変化がみられた。受精後のpHiの上昇を経ないでpHiを変えるために、媒精直後に正常海水中のNaをコリンに置換したNa欠除海水に移したのちに、さらに酢酸アンモニウムを含むNa欠除海水にしてUV照射をする。pHiを6.6-7.6の範囲で変えてUV照射をした。6.7以下では星状体が形成されなかったし、6.9までは形成後20分までに消失してしまったが、7.2以上で卵前核の運動速度も星糸の伸長速度ともにコントロールと同様であった。受精後のpHiの上昇を経たのちにpHiを変えた場合は、星状体形成のpHの閾値が下がることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Nakajima,H.,K.Matoba,Y.Hamaguchi,S.Ikegami et al: "Molecular characterization of a novel nucleolar protein in starfish oocytes phosphorylated before and during oocyte maturation."Eur.J. Biochem.. 257. 295-304 (2000)
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[Publications] Satoh,S.K.and Y.Hamaguchi: "Quantitative analysis of cortical actin filaments in dividing sea urchin eggs."Bioimages. (in press). (2001)
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[Publications] 浜口幸久: "微小管"メディカルレビュー社(印刷中). (2001)